2010年06月17日

映画『告白』

 映画『告白』は、湊かなえ原作の小説『告白』(ちなみに2009年本屋大賞作品)を、中島哲也監督が映画化した作品。

 昨年『サマーウォーズ』を観て以来映画館が遠のいていた私。この作品はかなり評判が高く、私を劇場に足を運ばせた映画となった。

 お話の導入はこんな感じ。
 終業式の日に、中学一年生の生徒を前に松たか子扮する森口悠子先生はある告白をする。それは、彼女の事故死した娘が実は教室にいる少年二人に殺されたこと。その告白後、彼女は教壇を去るが、それは彼女の復讐のはじまりだった。

 お話の進行は、始めは森口悠子先生の告白を中心に話が進む。次は学級委員の北原美月(橋本愛)の告白、また次の章では他の登場人物の告白により真相が明らかになるという形式であった。

 このお話は、復讐を描きつつ、同時にテーマに命や少年法を織り込んでいるように少し見える。自分勝手な都合で娘を殺した少年二人に対する先生の復讐方法が実に戦略的だと感じる。また、こうでもしないとこれほど大事なものを失う辛さを少年二人に実感させてあげることができる方法はないのかもしれない。

 一方で、このような「目には目を歯には歯を」の報復型私刑で本当によいのかという疑問はある。未成年に対するひとつの教育として考えると許容されるのかどうかわからないけど、釈然としないものがある。その復讐行為を否定したら話にならないかもしれないけど。

 本当にこの話には救いが無い。どんな暗い映画、凄惨な映画であっても、一条の光が最後に見えれば、少しは気持ちよく映画館を後にできるが、純粋なエンタテインメントな作品というわけでもないから、なんか見ちゃいけないものを見てしまったかなあと感じた。中学生以下は見るべきではない。R-15は適切と思う。

 松たか子扮するすごくすごく執念深い怨念を持った森口先生、コワイ。(娘を殺されたのだから当然か。)少年やクラスメートの大半は心が病んでいるようにしか見えない。迫真の演技を多くの俳優人が見せているところ、映像的音響的な効果が優れているところはやはり監督の手腕だなと思う。

 本作品とは関係ないが、復讐の執念深さは『親切なクムジャさん』、最後の一場面の後味の悪さは『セブン』を少し思い出させた。(2010年6月17日広島バルト11で鑑賞)

映画『告白』公式サイト
監督:中島哲也
脚本:中島哲也
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生
製作年度:2010年
製作国:日本
上映時間:106分

By NOV at 13:51 | Comments [0] | Trackbacks [0]