2005年05月31日

映画『エメラルド・カウボーイ』

『エメラルド・カウボーイ』公式サイト(メイキングも見れます)
『エメラルド・カウボーイ』を上映している映画館は?
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『エメラルドカウボーイ』はコロンビアでエメラルドビジネスを成功させた一人の日本人の自伝映画だ。この映画の主人公は早田英志。コロンビア・エメラルド・センターの社長である。早田はハリウッドの私邸を5億円で売り払い制作費に充てた。映画の完成度はともかく彼の人生そのものに驚かずにはいられない。

映画は若き早田(ルイス・ベラスコ)がコロンビアでエスメラルデーロ*1を目指すストーリーだ。無法地帯な鉱山で盗賊に襲撃されたり、誘拐の脅迫電話にあったり、エメラルド業者の抵抗にあったりという経験をした早田の半生が描かれている。

エメラルドに並々ならぬ関心を持った青年早田が女エスメラルデーロのスサナ(パトリシア・ハヤタ)と出会う。スサナは早田にエスメラルデーロに必要な術を教える。その後、早田はアメリカ人のデイブ(リカルド・ウィルキー)と出会いエメラルドビジネスを展開させていく。

本物の銃を惜しみなく使用した銃撃のアクションシーンは独特の迫力に溢れる。映画の仕上がりに粗雑で見苦しい部分が多々あることは否定できないが、遠く離れたコロンビアでこのような早田のような日本人がいることを誇りに思った。日本人から見ると感心してしまう点が多い。とても私には真似できない生き方は賞賛に値すると確信している。

上映終了後、この映画を監督した早田英志さんご本人と会う機会があった。ビジネスで成功を収め、自伝映画まで作製と男のロマンを成し遂げた早田さんはどのような人物か関心があった。事業で成功した者が本を書くことはよくあることだが、映画まで製作し、ある程度広く公開にまでこぎつける人は少ないだろう。シネツインのスタッフに案内されるまま、劇場のビルの6階へ。しばらくそこで待つと、カウボーイファッションで早田さんは私たち観客の前に登場した。

コロンビアでは10人のボディーガードに守られている社長でもある早田さんはとても気さくな方だった。丁寧にサインをしていただいた後、映画制作のお話やコロンビア情勢のお話などをしてくれた。早田さんのお話では、この映画は早田さん自身の生き方に共感して、日本の若者の力付けになればという思いで製作したそうだ。どうも貴重なお話ありがとうございましたと改めてここに早田さんに向けて記します。(2005年5月29日シネツイン1で鑑賞)

*1 エスメラルデーロとはスペイン語でエメラルド・ビジネスに携わる人を言うが、特にコロンビアではエメラルドの原石を売買する原石業者を指す。(参考文献:早田英志著、エメラルド・カウボーイ ページ40)

監督:早田英志、アンドリュー・モリナ
脚本:早田英志
出演:早田英志、パトリシア・ハヤタ、ルイス・ベラスコ、リカルド・ウィルスキー、カロリーナ・リサラソ
製作年度:2002年
製作国:コロンビア
上映時間:123分

映画『エメラルド・カウボーイ』の関連本の紹介

エメラルド・カウボーイ
早田 英志
エメラルド・カウボーイ
コロンビアでエメラルド・ビジネスを成功させた早田さんの自伝です。様々な生き方があるなと感心してしまいます。

By NOV at 10:35 | Comments [0] | Trackbacks [0]

2005年05月30日

映画『スカーレットレター』

『スカーレットレター』公式サイト
『スカーレットレター』を上映している映画館は?
スカーレット・レター@映画生活
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刑事ギフン(ハン・ソッキュ)には愛する美しい妻、スヒョン(オム・ジウォン)があり、そして熱烈な愛人、カヒ(イ・ウンジュ)がいた。ギフンは二人を愛しながら、仕事をこなす日々を送っている。
ある日、殺人事件が写真館で発生した。刑事ギフンは第一発見者の写真館主の妻、ギョンヒ(ソン・ヒョナ)を取り調べる。大豆モヤシ2000ウォン分を市場へ買いに出かけ、写真館に戻った時、夫は倒れていたとギョンヒは言う。

妻と愛人を持つ男の不倫話がメイン。殺人事件の捜査も並行して話は進行していく。後半、ストーリーは思わぬ方向へ展開していく。

刑事ギフンの愛人は華やかなジャズシンガー。妻がいると知っていても深くギフンを愛している。ギフンの妻は従順で清楚な女。ギフンの愛人にはない魅力を持っている。しかし、夫には何か秘密を隠しているようだ。ギフンは二人を並行して愛する日々を過ごしている。
愛人とは甘い時間を、妻とは安らかで平穏な時を過ごしたギフンをとりまく状況はやがて大きく変化していく。逃れられない運命に支配された男と女のドラマが切なく観客の胸に迫る。

この映画は多くの人が知っているように、今年の2月22日に逝去されたイ・ウンジュさんの遺作となってしまった。作品中、愛人カヒの役を演じている。その姿は多くの人が魅了するだろう。また、誠実な役柄で有名なハン・ソッキュは今回大いに汚れた刑事役を演じている。

ここからネタバレです。ご注意を。

三人の普通ではない三角関係と殺人事件が主に描かれているのだが、その二つの事柄はただ刑事ギフンが関わっているというだけで、密接な関係があるというわけではない。単に不道徳な行為を行う人たちを描いているのだろう。そのためミステリーを期待していると物足りないものがあるだろう。

それにしても車のトランクスペースにカヒとギフンの二人が閉じ込められてしまうとは強引な展開だ。悲劇の乱造という印象を少々抱いてしまうが、あの狭いスペースでギフンの側でカヒは命を絶つ。その時、私は現実にイ・ウンジュが亡くなったこととその演技をどうしても結びつけてしまった。
(2005年5月29日サロンシネマで鑑賞)

原題:주홍글씨
監督:ピョン・ヒョク
脚本:ピョン・ヒョク
音楽:イ・ジェジン
出演:ハン・ソッキュ、イ・ウンジュ、ソン・ヒョナ、オム・ジウォン、キム・ジングン
製作年度:2004年
製作国:韓国
上映時間:119分


映画『スカーレットレター』の関連商品の紹介

スカーレットレター 文庫本
百瀬 しのぶ

4789725537
映画『スカーレットレター』のノベライズの文庫本です。

By NOV at 10:33 | Comments [0] | Trackbacks [13]

2005年05月29日

映画『ヒナゴン』(舞台挨拶付き)

『ヒナゴン』公式サイト
『ヒナゴン』を上映している映画館は?
映画「ヒナゴン」特設ページ
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ヒナゴン舞台挨拶告知ボード『ヒナゴン』はヒバゴン伝説のふるさと比婆郡(当時)西城町で撮影されました。題名からもわかるように、この映画はヒバゴンをモチーフに作られた映画です。
製作には中国放送・ウッドワンなどの広島に密接な企業が参加しているようです。広島では先行上映で5月28日から県内各映画館で上映されています。先行上映というわけですから、その後全国で上映するものと思いましたが、まだ東京での1スクリーンでしか上映が決まっていないようですね……なぜだろう。ちょっと全国的にはまだ知られていない映画ですが、5月の28日にワーナー・マイカル・シネマズ広島へ観に行きました。

私が『ヒナゴン』を観に行った28日には、上映に先立ち主演の伊原剛志さんの舞台挨拶がありました。サングラスを掛け、襟を立てた白いシャツにジャケット、ジーンズの装いで壇上に登場しました。伊原さんはいろいろと製作の時を振り返りお話をした後、次の挨拶予定の映画館へ行きました。

少年時代にイッちゃんは怪物ヒナゴンを比奈町の山奥で目撃するものの、周りの大人たちにはほとんど信じてもらえなかった。それから30年後、イッちゃん(伊原剛志)は比奈町の町長となっていた。そのころ町ではヒナゴンの目撃情報が寄せられた。そして、町長は役場に類人猿課を復活させる。その類人猿課に東京から戻ってきた信子(井川遥)は就職することとなった。ところが、「類人猿課」を設置することは備北市との合併問題に揺れる比奈町の行政にとって新たな火種となる。

実は僕は幼いころ、とはいっても高校生のころ、にUFOを見たような気がします。闇の空をオレンジ色の光が瞬間的に左右にぱぱっと移動しました。その光を弟と一緒に見たのですがあれが何だったかは未だ謎です。隕石でも、流星でも、飛行機でも無さそうでした。
『ヒナゴン』を観て、僕は幼いころのそんな記憶を思い出したのです。山中でヒナゴンを目撃したのに大人たちに信じてもらえなかった少年時代のイッちゃんの気持ち、僕はわかります。

ヒナゴンを探しのことだけではなく、全国の過疎の市町村で特によくある合併問題のことまで映画には盛り込まれています。映画の中では、備北市と比奈町の合併で議論となります。ところで、現実ではロケ地の西城町(当時)は庄原市と合併してしまいました。映画中の備北市のモデルはおそらく最近合併してワイドになった庄原市でしょう。

映画の上映終了後、渡邊孝好監督と出演の井川遥さんが舞台挨拶に現れました。白いフリフリな感じのブラウスにチョコレート色のパンツ姿で登場の井川遥さん、さすが本家癒し系と言われただけあって目と唇が印象的でした。渡邊孝好監督と井川遥さんが二人で映画撮影の当時のことを思い出しながら語ってくれました。

さわやかな夏の匂いと風が届いてくるような映画でした。作品中、それほど理解困難な方言もないので、東京で上映されても言葉での問題もないでしょう。あるとすれば、「はぶてる」という動詞くらいでしょうね。『ヒナゴン』ロケ地マップもあるようですので、機会があればドライブしてみるのもいいかもしれません。
(2005年5月28日ワーナー・マイカル・シネマズ広島で鑑賞)

監督:渡邊孝好
原作:重松清(いとしのヒナゴン
脚本:山田耕太
音楽:岩代太郎
出演:伊原剛志、井川遥、上島竜兵、嶋田久作、鶴見辰吾
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:121分


映画『ヒナゴン』の関連商品の紹介

いとしのヒナゴン 単行本
重松 清
いとしのヒナゴン
こちらは映画の原作本です。

ヒナゴン公式ファンブック 単行本
ヒナゴン公式ファンブック
映画ヒナゴンの公式ファンブック。
映画の全シナリオが載っています。


By NOV at 12:44 | Comments [4] | Trackbacks [0]

映画『運命を分けたザイル』

『運命を分けたザイル』公式サイト
『運命を分けたザイル』を上映している映画館は?
運命を分けたザイル@映画生活
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『運命を分けたザイル』は実話を基にしたドキュメンタリー・フィルムだ。前人未到のシウラ・グランデ峰西壁登頂に成功した二人の登山家の壮絶な物語。我々は超人的な生命力にただ驚くばかりである。

1985年、英国人登山家ジョー・シンプソンとパートナーのサイモン・イェーツは、ペルーのアンデス山脈にある標高6600メートルの難関、前人未踏のシウラ・グランデ峰西壁登頂に成功する。しかし、下山途中に山の天候は一変し、二人は雪嵐に見舞われる。視界ゼロ、体感温度マイナス60℃の悪条件の中、足場が崩れるとジョーは滑落して、片足を骨折してしまう。山での骨折は死を意味する。激痛で自らを支えることすら出来ないジョーを、生還させようと果敢に救出を試みるサイモンだったが、ジョーの体はバランスを崩し、標高6400メートルの氷の絶壁で宙吊りになってしまう。(『運命を分けたザイル』公式サイトから引用)

この映画の撮影は相当の困難を極めたという。アンデスやアルプスの山岳地帯で撮影されたシーンを見れば、どうやって撮影したのかと思える場面ばかりだ。氷の壁を登る場面、ジョーが宙吊りになる場面、吹雪の場面など普段目にすることのない場面の連続である。

山に生きる男たちが試練を乗り越える力強いストーリー。超人的なエネルギーがスクリーンから伝わってくるようだった。また、サイモンはジョーのザイルを切る。それは、サイモンが生きるための必然的行動だった。このサイモンの行動は後々責められたそうだ。それを責めることが正しいか正しくないかは私にはわからない。でも、私もきっとサイモンの立場なら、きっとザイルを切るだろう。

ザイルを切られた後のジョーの生き残る力はいったいどこから出てくるのだろう。ジョーはクレバスに落ち、絶望の淵から奇跡的に生還する。ジョーが遭遇した困難に比べれば日ごろの困難は実に些細なことだ。

作品ではジョーとサイモンの本人のインタビューのシーンが時折あるので、二人とも助かっていることがわかる。事実を基にしているので、それを隠しても仕方がないということだろう。おそらく、登山家の間では既知のことだ。ただ、何も知らずにこの映画を観に来る人のことを考えると、その事実を伏せて、最後に事実を明らかにした方が驚きは大きいし、鑑賞している間、観客はより緊張感を保ちながら鑑賞し続けることができるかもしれない。(2005年5月27日サロンシネマで鑑賞)

原題:Touching the Void
監督:ケヴィン・マクドナルド
原作:ジョー・シンプソン(死のクレバス―アンデス氷壁の遭難
脚本:ジョー・シンプソン
出演:ジョー・シンプソン、サイモン・イェーツ、ブレンダン・マッキー、ニコラス・アーロン、リチャード・ホーキング
製作年度:2003年
製作国:イギリス
上映時間:107分

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2005年05月28日

映画『ザ・インタープリター』

『ザ・インタープリター』公式サイト
『ザ・インタープリター』を上映している映画館は?
ザ・インタープリター@映画生活
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The Interpreter 『ザ・インタープリター』はニコール・キッドマン扮する国連職員の通訳者(インタープリター)が偶然耳にした暗殺計画がきっかけで起こる事件を描いた社会派サスペンス映画です。ニューヨークの国際連合本部が初めて映画撮影に協力。大統領暗殺の陰謀をたくらむのは一体誰なのかわからないスリリングな展開をみせながら、国際連合の存在意義やアフリカの政治的混迷について考えさせられる作品です。

ニューヨークの国際連合本部では多くの通訳者が職員として働いている。シルヴィア(ニコール・キッドマン)もその中の一人だ。ある日、シルヴィアが忘れ物を取りに職場の一室に戻る。ヘッドホンから流れる音声に気付いたシルヴィアはその音声を聞く。ところが驚くことにその話し声はアフリカのマトボ共和国(架空の国)のズワーニ大統領(アール・キャメロン)の暗殺計画の会話だった。

『ザ・インタープリター』という題名はこの映画の主役シルヴィアの職業が通訳ということからきています。ニコール・キッドマンが国連で働く通訳者のシルヴィアを演じています。私がニコール・キッドマンの出演映画を見るのは『ドッグ・ヴィル』以来です。相変わらずキレイなのですが、今回のニコール・キッドマンはメガネを掛けた才女的香りを漂わせています。

暗殺計画を耳にしたというシルヴィアをシークレット・サービスのケリー(ショーン・ペン)はそのことを疑い、また、何かを隠しているとにらみます。妻を事故で失った悲しみを背負ったケリーはシルヴィアを探ると同時に暗殺計画の捜査も行います。

シルヴィアとケリーの関係は当初、刑事と被疑者のような関係でしたのでお互いの心の間には大きな川が流れているようなものでしたが、次第に全容が明らかになるにしたがって変わっていく二人の心の距離も変化していきます。その変化に着目するのもこの作品の楽しみの一つかもしれません。

登場人物の顔の識別が不完全だった私はストーリーの理解で苦労しました。鑑賞した後、「多分あいつがあれで、あれをして……」と頭の中で整理しました。とりわけ黒人の識別に苦労したという話も聞きます。また、黒人の出演者以外にもしっかり認識しておくべき人物がいるので顔と職業をしっかり覚えてみるようにするといいと思います。謎解き的な部分ではそれほど複雑なわけではないので人物認識に苦労しなければ大丈夫だと思います。

多くの日本人にとって国連やアフリカ情勢(架空の国ではあるのですがモデルがあるのだと思います。)といった事柄は実感に乏しいものですが、この映画は国際連合やアフリカについて以前よりも関心を持たせてくれる教育的意義のある作品でもあります。(2005年5月24日ワーナー・マイカル・シネマズ広島で鑑賞)

原題:The Interpreter
監督:シドニー・ポラック
脚本:チャールズ・ランドルフ、スコット・フランク、スティーヴン・ザイリアン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ニコール・キッドマン、ショーン・ペン、キャサリン・キーナー
製作年度:2005年
製作国:アメリカ
上映時間:118分


映画『ザ・インタープリター』のDVD、サウンドトラックや本など、関連商品の紹介

ザ・インタープリター DVD
ザ・インタープリター

ザ・インタープリター 文庫本
デイヴィッド・ジェイコブズ
ザ・インタープリター


サウンドトラック『ザ・インタープリター』 国内盤
オリジナル・サウンドトラック『ザ・インタープリター』

The Interpreter [Original Motion Picture Soundtrack]
James Newton Howard Pete Anthony Hollywood Studio Symphony Kirsten Braten-Berg
The Interpreter [Original Motion Picture Soundtrack]
こちらは『ザ・インタープリター』のサウンドトラックの輸入盤です。

By NOV at 22:38 | Comments [2] | Trackbacks [7]

2005年05月27日

映画『復讐者に憐れみを』

『復讐者に憐れみを』を上映している映画館は?
復讐者に憐れみを@映画生活
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復讐者に憐れみを 『復讐者に憐れみを』は『JSA』、『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督が描く復讐三部作の一つ。一切の妥協を許さない凄惨な映像が観客を圧倒する。脚本の凄まじさにソン・ガンホが出演依頼を二度断ったというこの作品で見せる渾身の演技に注目。

リュ(シン・ハギュン)は聴覚障害で聞くことも話すこともできない。リュは姉(イム・ジウン)に助けてもらいながら生きていたが、姉は腎臓病を患ったため、リュは美大への進学を諦めて工場で働いていた。リュは病院に自分自身の腎臓を姉に移植することを申し込んだものの、姉の身体にリュの腎臓は適合しないことが判明した。それから、たまたまトイレで臓器移植の広告をリュは見つける。腎臓移植をして姉を助けたい一心で闇の臓器密売組織と接触する。ところがリュは腎臓と1000万ウォンを騙し取られることとなってしまう。

『復讐者に憐れみを』はひょっとしたら悲惨な事件をただ並べただけの悪趣味な映画のように見えるかもしれない。臓器密売組織による腎臓搾取および詐欺、誘拐が起こり、その後も事件は起こる。事件の背景の描写が強引ながらも巧みなので、この世界で悲惨なできごとが起こる背景を現実的に感じることができる。そのためこの作品『復讐者に憐れみを』はそういった映画にはならずにすんでいる。

題名『復讐者に憐れみを』から想像できるように復讐者が登場する。実は一人ではなく何人かの復讐者が出てくるが、おそらく憐れみの対象となる復讐者はソン・ガンホ演じるパク社長だろう。
パク社長は真面目に生き苦学し社長になった人物だ。パク社長の愛娘は何者かに誘拐され、ある日、死体となって見つかる。警察に連絡せずに解決しようと用意した身代金2600万ウォンだけでなく娘の命まで奪われてしまう結果となる。
警察に頼らず誘拐事件を解決しようとしたパク社長は、その後自力で犯人探しをして私刑を行おうとする。その後の復讐劇でパク社長は迫真の演技を見せている。

また、もう一人の復讐者は姉の腎臓移植を切望していたリュ。しかし、リュは闇市場の臓器売買グループにはめられ、大金を奪われ、体内からは腎臓を摘出され奪われる。間の悪いことに、その後一文無しとなったリュには病院から姉に適合する腎臓が見つかったと連絡がある。途方に暮れるリュは、アナーキーな恋人ヨンミ(ペ.ドゥナ)の善意ある誘拐の言葉にそそのかされパク社長の娘の誘拐を実行し、パク社長から2600万ウォンを手に入れる。
そんな二人の復讐者だが、やがて共通の目的で近づくこととなる。その時の二人の運命に観客はただ黙ってスクリーンを見守るだけだ。

ここからはネタバレあります。ご注意を

『復讐者に憐れみを』では身体的に感じるような生々しく痛ましい場面がかなり多い。
パク社長の解雇した従業員が自分の腹部をカッターで切りつけ、そこから血液がたらりと滴り落ちる場面。パク社長の娘の司法解剖で死体の解剖に伴って発生する音にシンクロしてパク社長が悲痛な表情を見せる場面。リュが臓器密売組織のメンバーの頚動脈に凶器を刺し、血液を噴出させてしまう場面。パク社長に電気拷問を受けるヨンミが失禁する場面。自殺した姉の腐乱した顔に虫がわいている場面。川の中でパク社長がリュの両足のかかとをすぱっと切り、その裂け目がぱっくり開いている場面。そのいずれもが鮮烈であり、監督のごまかしのない表現意識を感じる。

生々しく痛ましい場面以外にも、監督のごまかしのない表現は見られる。リュとヨンミのベッドシーンもそういった場面の一つだろう。予想外のオールヌードのペ・ドゥナに少々当惑してしまったが、そのような演技をしたペ.ドゥナはプロ意識が高いのかもしれないし、あるいは映画製作時のペ.ドゥナとシン・ハギュンの関係が功を奏して実現されたのかもしれない。そこまでする必要があるのかないのかという議論もあるだろうが、私はこのシーンが他の惨たらしい一連の場面を引き立てるのに効果的だと考えている。

娘を亡くしたパク社長の変貌振りは恐ろしい。感情が徐々に破壊され冷徹な人物に変貌していく。その感情の破壊は二度ある司法解剖シーンに如実に表れている。
一度目の司法解剖で娘が解剖される場面では人間らしく表情を歪めるパク社長。二度目の司法解剖でリュの姉が解剖される場面では表情一つ変えず、あくびをしているパク社長。
また、司法解剖で人間の解体を見たことは後々リュを殺し解体する時にも役に立ったのかもしれない。

臓器移植の密売組織の人間を除いて、いずれの人物も表の世界で平穏に暮らしていた。ところが、良かれと思い行動したことが裏目に出て、それを取り取り繕おうとすればするほどさらに救いはなくなる。やがて意図せず命を落としていく者たちに観客は何を思うだろう。パク社長の言葉にならないような声の流れるエンドロール終了後、立ち上がると私はふらふらで全身疲労感で一杯だった。(2005年5月22日サロンシネマで鑑賞)

原題:복수는 나의 것
監督:パク・チャヌク
脚本:イ・ジョンヨン、パク・リダメ、イ・ムヨン
出演:ソン・ガンホ、シン・ハギュン、ぺ・ドゥナ、イム・ジウン、イ・デヨン
製作年度:2002年
製作国:韓国
上映時間:117分


映画『復讐者に憐れみを』のDVDと本の紹介

復讐者に憐れみを デラックス版 DVD
復讐者に憐れみを デラックス版

発売予定日は2005/07/22です。

復讐者に憐れみを 文庫本
パク チャヌク
復讐者に憐れみを

By NOV at 01:57 | Comments [2] | Trackbacks [0]

2005年05月24日

映画『クローサー』

『クローサー』公式サイト
『クローサー』を上映している映画館は?
クローサー@映画生活
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Closer『クローサー』は単純に言うと4人の男女の恋愛模様が描かれた映画。そして、そこにあるのは本能的でエゴイスティックでむき出しな男女の恋愛感情。この作品『クローサー』に出演のナタリー・ポートマンとクライヴ・オーウェンはそれぞれゴールデン・グローブで助演女優賞と助演男優賞を受賞している。また、ナタリー・ポートマンのストリッパー役が注目を浴びている。

アリス(ナタリー・ポートマン)は路上で自動車と衝突し、目撃者のダン(ジュード・ロウ)はアリスを病院へ連れて行く。二人はお互いに惹かれ一緒に生活をする。新作本を書き上げたダンはフォトグラファーのアンナ(ジュリア・ロバーツ)と出会いアリスがいるにもかかわらず恋愛感情を抱く。

幸せな恋愛中の人はこの映画を避けたほうがいいかもしれない。しかし、お互い疑心暗鬼になっているカップルはもっと避けたほうがいいかもしれない。恋愛は騙し愛や試し愛(←造語です)だという信念、あるいは経験がある人はビタースゥイートなこの映画を十分に楽しめるかもしれない。「いやあ、そういう恋愛はキライだね」という御仁には肌に合わない可能性がある。

性的な描写に関してプライベートでしか言わないだろうと思われるきわどいセリフが多いのが目立つ。そこでは男も女もストレートな言葉をお互いにぶつけている。

「どこであいつと寝たんだ?」
「あのソファーよ」

その一方で、恋愛映画、とりわけ大人向けの恋愛映画にはよく出てくるであろうベッドシーンはほとんどない。そのため登場人物たちの恋愛がどうだったか観客もわからない。ダン、アリス、アンナやラリー(クライヴ・オーウェン)の言っていることは本当なのかどうかわからないので観客までもがあたかもその恋愛の当事者的立場から映画を観ることとなる。
また、時間の流れが急に飛ぶので、そのためストーリーの展開がわからなくなってしまう可能性はある。

この映画『クローサー』にジュード・ロウは出演している。『アビエイター』では見逃しそうになるほど僅かな出演のジュード・ロウ。『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』では声しか登場していなかったジュード・ロウ。ジュード・ロウのファンのみなさん、ようやくたんまりジュード・ロウが見れますよ。

個人的にはどうしてもナタリー・ポートマンに注目してしまった。あの美貌を持つナタリー・ポートマンがストリッパー姿というだけで『クローサー』の観客は増えているに違いない。そのナタリー・ポートマンのストリッパー姿ですが、個人的にはもっとヌードな姿が見られると思ったのに、監督の意向でそのシーンは少々押さえられたものになっている。クライヴ・オーウェンだけがとても喜ぶような演出になっていてなんだかもどかしく思えた。改めて思うけどナタリー・ポートマン、大きくなったねえ……。『レオン』のころが懐かしい。
ところで、ダンとラリーのワイセツなネット・チャットにやたら長々と時間をかけてやっていたけれど、本当に医師(ラリー)がオンラインでドクターとわかるハンドルネームを使うのかどうか疑問。(2005年5月21日ワーナー・マイカル・シネマズ広島で鑑賞)

原題:Closer
監督:マイク・ニコルズ
脚本:パトリック・マーバー
音楽:モリッシー
出演:ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェン
製作年度:2004年
製作国:アメリカ
上映時間:103分


closer / クローサー DVD
ジュリア・ロバーツ マイク・ニコルズ ジュード・ロウ
closer / クローサー DVD

By NOV at 20:19 | Comments [6] | Trackbacks [24]

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2005年05月22日

映画『バッド・エデュケーション』

『バッド・エデュケーション』公式サイト
『バッド・エデュケーション』を上映している映画館は?
バッド・エデュケーション@映画生活

バッド・エデュケーション 『バッド・エデュケーション』は『オール・アバウト・マイ・マザー』、『トーク・トゥ・ハー』に続くスペイン映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の最新監督作品。この『バッド・エデュケーション』はペドロ・アルモドバル監督の半自伝的作品と言われている。アルモドバル監督が10年以上の構想で製作されたというだけあり、十分に練られた脚本が見事に展開していく。最後にきっと愛や人生について深く考えてしまうだろう。

エンリケは若き映画監督。エンリケ(フェレ・マルティネス)が次回作の構想を練っている時、突然事務所を一人の男が訪れる。その男の名はイグナシオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)。16年前に別れたきりの親友だ。劇団の俳優をしているというイグナシオは、エンリケに役者として雇って欲しいと懇願する。そして、イグナシオは映画の脚本『訪れ……』をエンリケに手渡す。その脚本にエンリケは強くに惹き付けられて行く。なぜなら、その脚本にはイグナシオと共に過ごした神学校の寄宿舎時代がそこにあった。しかし、エンリケはイグナシオが本当にイグナシオなのか確信を持てなかった。

この映画『バッド・エデュケーション』は男性の同性愛的内容を多く含んでいる。多くの日本人男性にとって生理的にそういったものは受け入れることができないだろう。また、それは同性愛指向の男性にとってヘテロセクシャルが受け入れられないのと多分同じようなことと思われる。

私自身同性愛指向はないので、正直これは気持ち悪いと思う場面もいくつかこの映画の中にはあった。そういう場面もある程度包み隠さず映像表現しているので同性愛の実際も垣間見たような気になれる。何も知らずにこの映画を鑑賞に行った場合、固まってしてしまう人がかなりいるかもしれない。

同性愛に関する内容が含まれてはいるものの映画としてとてもしっかり作られているので鑑賞に堪えられないということはなく、むしろ新鮮でインモラルで面白い作品だった。ペドロ・アルモドバル監督の作品はいつもちょっと危ない雰囲気が漂うのに落ち着いて観れてしまう。不思議だ。
最終的に明らかとなるイグナシオの衝撃の真実に驚いた。そのイグナシオの人生を方向付けたように描かれているマノロ神父(ダニエル・ヒメネス・カチョ)の執拗で嫉妬深い小児偏愛にも驚く。少年時代のイグナシオが歌うムーン・リバーがとても儚い。

ところで余談ですが、ガエル・ガルシア・ベルナル(通称ガエル君)は今回、女装をしたり同性愛のラブシーンをしたりとかなり大胆な役柄に挑戦。彼のヌードが見られるので女性としては生唾ゴックンって感じかも。パンツ一枚で泳ぐお宝映像もあったりします。観客に女性が多かったのも納得。(2005年5月20日サロンシネマの最終上映日に鑑賞)

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原題:La Mala educación
監督:ペドロ・アルモドバル
脚本:ペドロ・アルモドバル
音楽:アルベルト・イグレシアス
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルティネス、ハヴィエル・カマラ、 ルイス・オマール、ダニエル・ヒメネス・カチョ
製作年度:2004年
製作国:スペイン
上映時間:105分

映画『バッド・エデュケーション』の関連本やサウンドトラック

バッド・エデュケーション 文庫本
ペドロ・アルモドバル
バッド・エデュケーション
巨匠ペドロ・アルモドバルの半自叙伝。

「バッド・エデュケーション」オリジナル・サウンドトラック
サントラ サラ・モンティエル ヴィヴァルディ・イプシ・カタルーニャ少年合唱団
「バッド・エデュケーション」オリジナル・サウンドトラック

By NOV at 13:32 | Comments [0] | Trackbacks [3]

2005年05月20日

映画『コーラス』のサウンドトラック

映画『コーラス』のオリジナルサウンドトラックを購入しました。国内盤、輸入盤どちらにしようか迷いましたが国内盤を買いました。
映画『コーラス』は2回劇場で観たお気に入り映画です。映画について詳しくは、内部リンク映画『コーラス』をご参照ください。

『コーラス』サウンドトラックのタイトルリスト

Les Choristes コーラス
Christophe Barratier Bruno Coulais Jean-Philippe Rameau Deyan Pavlov
コーラス
1. Les Choristes コーラス
2. In Memoriam 亡き人への想い
3. L'Arrivée A L'Ecole 寄宿舎への到着
4. Pépinot ペピノ
5. Vois sur ton Chemin 途中でみてごらん
6. Les Partitions 楽譜
7. Caresse Sur L'Océan 海への想い
8. Lueur D'Eté 夏の光
9. Cerf-Volant 凧
10. Sous la Pluie 雨の中を
11. Compère Guilleri 相棒ギエリ
12. La Désillusion 失望
13. La Nuit 夜
14. L'Incendie
15. L'Evocation
16. Les Avions en Papier
17. Action Réaction アクション-リアクション
18. Seuls 自分たちだけで
19. Morhange モランジュ
20. In Memoriam A Cappella 亡き人への想い(アカペラ)
21. Nous sommes de Fond de l'Etang 僕たちは池の底の住人

あまりそれほどサウンドトラックを買うことがない私ですが、『コーラス』はぜひ欲しかったサウンドトラックの一枚です。この一枚であのジャン=バティスト・モニエ君のワンダフルで美しいな歌声がもう一度聴けました。サン・マルク少年少女合唱団が歌う歌や曲が収録されています。

日本盤だとボーナストラックなんかがよくあったりするのですが、この『コーラス』のサウンドトラックには残念ながらボーナストラックはないのです。また、US盤にはなくておそらく日本盤にしかないものとして、歌詞の翻訳、映画のセリフの一部(合唱パート分けシーン他)の翻訳、7番目のトラック、Caresse Sur L'Océan 海への想いの楽譜の抜粋があります。

『コーラス』のサウンドトラックを聴くと、先生と子どもたちの名場面が鮮やかに脳内によみがえりました。とても素晴らしいサウンドトラックですが、映画のはじめの場面でジャック・ペランが指揮をしていたあの音楽が入っていなかったのは残念です。心の疲れを感じた時に聴きたい―そんなサウンドトラックです。

By NOV at 17:57 | Comments [0] | Trackbacks [1]

2005年05月15日

映画『交渉人 真下正義』

『交渉人 真下正義』公式サイト
『交渉人 真下正義』を上映している映画館は?
交渉人 真下正義@映画生活

映画『交渉人 真下正義』を観ました。『踊る大捜査線』の派生映画、スピンオフの作品ですね。映画の内容は、2004年12月24日、得体の知れない知能犯が東京の地下鉄新型車量「クモ」を縦横無尽に走らせて東京をパニックにさせるお話です。

警視庁初の交渉人として活躍した真下正義(ユースケ・サンタマリア)に対抗意識を持つ何者かが、自動列車運転装置(Automatic Train Operation)をダウンさせ、新型フリーゲージトレイン「クモ」を勝手に操り東京地下鉄路線上を走らせる。東京地下鉄の乗客が危機にさらされる。

なかなかスリリングな展開で序盤は大いに盛り上がります。なぜ新型地下鉄車両を乗っ取ったのかわからない犯人と真下は交渉します。実際は交渉というより、共感的な立場での会話という感じです。そんなに頭脳的な交渉というわけではありません。むしろ真下と地下鉄総合指令室内での職員との交渉のほうが大仕事のようにも見えました。

東京の地下鉄の司令室がどんなものか実際に見たことはありません。この映画ではその指令室でのシーンが多いので、普段多くの乗客を当たり前のように輸送する地下鉄制御の仕事を垣間見られます。映画での司令室の雰囲気が実際の世界の様子とどの程度の違うかわかりませんが、地下鉄職員の誇りの断片が感じられました。

犯人の最後の狙いはクリスマスイブの東京を騒然とさせるとんでもない計画。その計画を中止させるための警察サイドの活動に始終緊張しっぱなしでした。なかなか手の込んだことをする犯人で、真下が言うように「キミは凄いよ」という言葉のふさわしい犯人です。真下だけでなく部下たちの活躍に拍手を送りたくなるそんな作品でした。

ここからは、ネタバレでいきます。ご注意を。

心地よいボレロの演奏。ボレロの演奏中のシンバルの音がホールに設置された起爆装置と連動していることを短時間で見事に的中。犯人はただ者ではないけど捜査班もただものではないと思わせられます。プロファイリングで容疑者にやっとたどり着いたと思ったら、その人物はすでに死んでいる人物だったのでこれまた謎な展開でした。

やたら映画マニアな犯人でしたが、最後はあっけなく自爆でしょうか、それとも逃亡したのでしょうか。どちらかは明確には描かれていません。次回作『容疑者 室井慎次』で明らかとなるのでしょうか。最後、どんな犯人なのか全くわからない形になってしまったので肩透かしを食らいましたね。(2005年5月14日広島宝塚1で鑑賞)

交渉人 真下正義@映画生活
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監督:本広克行
脚本:十川誠志
出演:ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、高杉亘、松重豊、水野美紀
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:127分

映画『交渉人 真下正義』
サウンドトラックや本、おもちゃなどいろいろ。

交渉人真下正義 オリジナルサウンドトラック
(レア映像DVD付初回限定盤)

サントラ ザ・テンプテーションズ
交渉人真下正義 オリジナルサウンドトラック (レア映像DVD付初回限定盤)
このサウンドトラックは【レア映像収録DVD付き初回限定盤】です。
※ 限定盤につき、なくなりしだい販売を終了。どんな特典映像の入ったDVDなんでしょう。気になりますね。また、交渉人真下正義オリジナルサウンドトラック(通常盤)もあります。

公式ガイドブック『交渉人 真下正義』完全FILE
公式ガイドブック『交渉人 真下正義』完全FILE

交渉人真下正義ネゴシエイションズガイドブック
交渉人真下正義ネゴシエイションズガイドブック

チョロQ クモ E4-600
チョロQ 交渉人 真下正義チョロQ
あのクモ E4-600のチョロQ。ちょっと欲しいなあ。

プラレール「交渉人 真下正義」 クモ E4-600
「交渉人 真下正義」 クモ E4-600
プラレールの車両です。プラレールが無い場合はこちらプラレール こんなにできちゃう! レールいっぱいセットでレールも手に入りますよ。(対象年齢:3才以上)

By NOV at 14:46 | Comments [2] | Trackbacks [18]

2005年05月10日

映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』

『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』公式サイト
『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』を上映している映画館は?
『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』
エミリー・ブラウニング&リアム・エイケン独占インタビュー

エミリー・ブラウニングのプロフィール

映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』は、アメリカを中心に、世界中でハリー・ポッターシリーズとならぶ人気を誇る児童向け小説『世にも不幸なできごと』を原作にして作られた作品です。
レモニー・スニケット(声はジュード・ロウ)が時々物語を語りながら映画は進んでいきます。ボードレール家の三姉弟妹を襲ういろいろな不幸なできごとに目が離せません。三姉弟妹の勇気ある姿が素晴らしい。また、セットや衣装などの美術的な面にも注目。

ボードレール家の三姉弟妹、ヴァイオレット(エミリー・ブラウニング)、クラウス(リアム・エイケン)、サニー(カラ&シェルビー・ホフマン)は幸せに暮らしていた。ある日、砂浜で三人が遊んでいると、男が近づいてきた。男は、家が火事になり両親は焼け死んだと三人に告げる。

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

この物語には三人のきょうだいが登場します。一番上のお姉さんのヴァイオレットは発明の天才、ぼてっとしたくちびるがかわいい。弟のクラウスは本の虫、読んだ本はすべて記憶しているスーパークレバーな少年。そして、幼い妹のサニーは噛むことが好きなヘンテコなベイビーです。そんな彼らが得意技を駆使して不幸に立ち向かっていく姿に共感を覚えます。

児童向け文学が原作のようですが、大人が観ても十分鑑賞に堪えるクオリティを誇っています。セットや衣装などいろいろ趣向が凝らされているので見ているだけでも本当に楽しい。ヴァイオレットの衣装なんかとてもカワイイと感じました。

火事の後、ボードレール家の財産を狙うオラフ伯爵が三姉弟妹を引き取ろうとします。それから、三姉弟妹に襲いかかる不幸な展開にハラハラドキドキさせられ、困難を切り抜ける三姉弟妹の叡智に感心してしまいます。

ジム・キャリー演じるオラフ伯爵の変身振りもそつなく決まっています。基本的にはクラシックな風景が描かれているのに、ところどころ近代的なモノが見られて面白いです。もし予告編や感想などを見ていて気になるようなら劇場へ足を運ぶことをオススメします。微妙?絶妙?一見の価値はアリかな。観る時は童心に帰ってくださいね。(2005年5月6日ワーナー・マイカル・シネマズ広島で鑑賞)

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語@映画生活
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ところでレモニー・スニケットって誰?

ちょっと気になったのでレモニ・スニケットがどんな人物か調べてみました。
映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』の原作者のレモニー・スニケットさんのこの名前は児童書「世にも不幸なできごと」シリーズ限定の筆名のようです。以下、wikipediaより引用です。

ダニエル・ハンドラーDaniel Handler 別名レモニー・スニケット Lemony Snicket 1970年2月28日 -)はカリフォルニア州サンフランシスコ生まれの小説家、脚本家、アコーディオン演奏家。

ハンドラーの小説The Basic FightとWatch Your Mouthはゴシック風のコメディであり、やや大人向けの内容である。ハンドラーの脚本には2003年の映画Rick(原作はヴェルディのオペラ『リゴレット』)、Kill the Poor(原作はジョエル・ローズの小説)がある。アコーディオン演奏家としては、マグネティック・フィールズのアルバム69 Love Songsでの演奏が最も有名である。

ハンドラーはレモニー・スニケットの筆名で『世にも不幸なできごと』シリーズを執筆している。またLemony Snicket: The Unauthorized Autobiographyという作品も執筆した。
引用先ヘのリンク

ダニエル・ハンドラーさんがレモニー・スニケットということのようですね。ダニエル・ハンドラーさんは小説家、脚本家、そしてアコーディオン演奏家ということです。

エミリー・ブラウニングのプロフィールに関する記事がWikipedia英語版に掲載されていたので翻訳させていただきました。
Wikipediaの原文はGNU Free Documentation Licenseのもとで公開されてます。したがって、この訳文も同様のライセンスが当てはめられます。(詳細はリンク先参照。)この訳文に関しては、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスにおけるby-sa(著作権者表示―二次的著作物の同一条件許諾)を適用させていただきたいと思います。

以下、Emily Browning - Wikipedia, the free encyclopedia よりの翻訳です。

エミリー・ブラウニング( Emily Browning )

ヴァイオレットとサニー
映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』
でヴァイオレットを演じるエミリー・ブラウニング

エミリー・ブラウニング(1988年12月7日生まれ)は子役女優である。エミリー・ブラウニングはオーストラリアのヴィクトリア州、メルボルン生まれである。

エミリー・ブラウニングの女優人生は学校演劇でエミリーの友人の父親がエミリーに注目した時から始まった。彼はエミリー・ブラウニングにプロの演技に挑んでエージェントを見つけることを薦めた。その後間もなく、エミリー・ブラウニングはホールマークテレビ映画 "The Echo of Thunder" (ジュディ・デイヴィスも共演)の出演をオーディションで勝ち取った。その後もオーストラリア製作作品に出演し、その中に "The Man Who Sued God"があり、 ビリー・コノリーが演じる登場人物の娘役をエミリー・ブラウニングが演じている。(エミリー・ブラウニングはレモニー・スニケットで再びビリー・コノリーと共演している。)

テレビドラマ"Blue Heelers"では問題を抱えて、テス・ギャラガーに連行される10代少女ヘイリー・フルトンの役をエミリー・ブラウニングは何度か演じたころ、初の大役がエミリーにやってきた。エミリー・ブラウニングは定期的に2000年から2002年まで登場した。そのころのエミリー・ブラウニングは本当の家族のところへ帰らざるを得ない時期だった。エミリー・ブラウニングはその後ホラー映画 "Darknes Falls" に出演、そして2003年のドラマ映画 "Ned Kelly" にオーランド・ブルームやヒース・レジャーと一緒に登場している。

エミリー・ブラウニング登場の最新作は『レモニースニケットの世にも不幸せな物語』で、作品中エミリー・ブラウニングは発明の才能に長け賢明な一番年上の姉ヴァイオレット・ボードレールを演じている。エミリー・ブラウニングはジム・キャリーやメリル・ストリーブと共演している。

伝えられるところによると、エミリー・ブラウニングは映画の撮影は休んでオーストラリアに戻り学校へ通っているようである。エミリー・ブラウニングは現在学校の友達のリアム・シャムブルックさんと付き合っているようだ。レモニー・スニケットで共演したリアム・エイケンと間違えて混乱しないように。
  

エミリー・ブラウニングのフィルモグラフィー

翻訳はここまでです。誤訳がありましたらご指摘ください。

原題:Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events
監督:ブラッド・シルバーリング
原作:レモニー・スニケット
脚本:ロバート・ゴードン
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ジム・キャリー、メリル・ストリープ、エミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、カラ・ホフマン
製作年度:2004年
製作国:アメリカ
上映時間:109分
  

映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』の原作本やサウンドトラックを紹介します

世にも不幸なできごと (1)(2)(3) 3巻 箱入りセット
レモニー・スニケット 宇佐川 晶子
世にも不幸なできごと (1)(2)(3) 3巻 箱入りセット
こちらは映画『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』の原作の本ですね。「世にも不幸なできごと」の3巻箱入りセットです。それぞれのタイトルは『最悪のはじまり』、『爬虫類の部屋にきた』、『大きな窓に気をつけろ』です。なんとこのシリーズは世界で3000万部以上を売り上げだとか。
1巻ずつの購入もこちら→レモニー・スニケットの世にも不幸なできごとシリーズからできます。
洋書のレモニースニケットの世にも不幸なできごと
もあります。

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語 サウンドトラック
サントラ
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語のオリジナルサウンドトラックです。
Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events (Original Motion Picture Soundtrack)は輸入盤のサウンドトラックです。リンク先で試聴もできます。

By NOV at 08:43 | Comments [10] | Trackbacks [22]

2005年05月06日

映画『海を飛ぶ夢』

『海を飛ぶ夢』公式サイト
『海を飛ぶ夢』を上映している映画館は?
アレハンドロ・アメナーバル『海を飛ぶ夢』独占インタビュー - FLiXムービーサイト

映画『海を飛ぶ夢』を見ました。実在した人物、ラモン・サンペドロが前向きに死ぬ権利を勝ち取ろうとする話です。この作品『海を飛ぶ夢』は第77回(2005年)アカデミー賞外国語映画賞を受賞。最近は伝記映画にアカデミー賞が贈られることが多いと聞きます。もしかしたら『海を飛ぶ夢』もその一連の流れ中にあるのかもしれませんが、『海を飛ぶ夢』がそのような流れの中で単純に選ばれた映画ではないと思います。アレハンドロ・アメナバール監督が見事にラモンの人生を描いています。生きることの意味を深く観客に突きつける映画です。また、主演のハビエル・バルデムの表現力豊かな演技が素晴らしい。人生とは?、命は誰のもの?、様々な答えの無い問いがそこにある。

ラモン(ハビエル・バルデム)は25歳の時に引き潮の海へ飛び込んだために頚椎損傷する。四肢麻痺となりラモンが船員だった時代の自由な時間は過去のものとなってしまった。それ以来ラモンは家族の手厚い看護で生活していた。しかし、事故から26年後、ラモンはそのような人生を自由に楽しめない生き方に疑問を感じ、自ら命を絶つことを希望するようになる。ラモンは人権支援団体や弁護士の力を得て合法的に命を絶つことを可能にしようと活動する。

四肢麻痺のラモンの周りには多くの人がいます。兄、義姉、父や甥など、ラモンの家族、ラモンを支援する弁護士フリア(ベレン・ルエダ)や人権支援団体のメンバーのジュネ(クララ・セグラ)、テレビでラモンのドキュメンタリー番組を見て勇気付けられたロサ(ロラ・ドゥエニャス)。彼らとラモンとの交流を見ていると、本当はラモンは人生を楽しんでいるのではないかという錯覚を感じます。とても死を望んでいるようには思えなかったりします。とても妙な違和感を感じました。なかなかこういった感覚を覚える映画はないと思います。

この先少しネタバレ含みます。

単純に言えば、ラモンはとにかく命を断ち、人生を終わらせたかったのでしょう。明日も生きることを望んでいる死に直面した人とは対極の位置にあったラモン。「人はいつか死ぬのだからそんなに死に急がなくても」と私は思うのですが、死を自ら決定するということがきっとラモンに残された唯一の本当の自由だったのでしょう。

しかし、家族の側に立つとそれはとても悲しく思えます。特にラモンが青酸カリウム水溶液を飲む前の言葉「今まで生きてきて楽しいことなんて何も無かった」は家族にとって悲しいメッセージです。わざと挑発的なメッセージを投げることによって、ラモンは世間にいろいろと問いたかったのかもしれません。亡くなる前の期間、ラモンは恋愛を楽しんでいたように見えただけに「今まで生きてきて楽しいことなんて何も無かった」の言葉は衝撃的でした。

ところで、この映画は尊厳死がテーマと言われていますが、尊厳死とは少し違うような気がしました。このことに関して専門家ではないのではもしかしたら見当違いかもしれませんが、私が認識していた尊厳死は該当患者が不治の病であり、死期が迫っていて、延命治療をしないと生存できない状態となった場合それを行わずに該当患者が死を選択することと捉えていました。

ラモンの場合、四肢麻痺なので不治の病には当てはまりますが、死期が迫っているとまでは言えません。また、一般的に延命治療と呼ばれるものは行われておらず、看護あるいは介護を受けている状態でした。その考えで行くと、ラモンはどちらかと言うと積極的な安楽死を求めていたような気がします。(2005年4月23日TOHOシネマズ緑井で鑑賞)

海を飛ぶ夢@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。
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監督:アレハンドロ・アメナバール
脚本:アレハンドロ・アメナバール、マテオ・ヒル
音楽:アレハンドロ・アメナバール
出演:ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス、クララ・セグラ、マベル・リベラ
製作年度:2004年
製作国:スペイン
上映時間:125分

映画『海を飛ぶ夢』の本やサウンドトラックあります

海を飛ぶ夢 本
ラモン・サンペドロ
海を飛ぶ夢
by G-Tools

海を飛ぶ夢 オリジナルサウンドトラック
サントラ
海を飛ぶ夢  オリジナルサウンドトラック

By NOV at 07:18 | Comments [4] | Trackbacks [21]

2005年05月01日

映画『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』

『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』公式サイト
『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』を上映している映画館は

『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』 かくれんぼを最後にしたのはいつだろう。小学校に行っていたころにかくれんぼをした記憶はあるのに、最後のかくれんぼの記憶ってないなあ。そんな昔の記憶を思い起こさせる題名の作品『ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ』(以下『ハイド・アンド・シーク』)を観ました。

『アイ・アム・サム』で一躍有名となった名子役のダコタ・ファニングと名俳優ロバート・デ・ニーロが出演。また、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』のマーティーの恋人役として出演していたエリザベス・シューも登場します。

デビッドとエミリー親子の妻であり母であるアリソンが浴室で自ら命を絶ってしまった。その事件がきっかけでまだ9歳のエミリーは心に深い傷を負う。心理学者であるエミリーの父デビッドは娘の心の静養のためにニューヨークの静かな郊外へ移り住む。快適な環境と思われたが、エミリーの心はどんどん閉ざされていく。そして、チャーリーと呼ばれる目に見えない友達とエミリーは遊ぶようになる。

それほど観るつもりはなかったこの作品『ハイド・アンド・シーク』。『海を飛ぶ夢』を観る前に2時間ほど開いていてちょうど時間的に都合がよかったので観ることとなったのです。

昨年『マイ・ボディガード』にも出演していたダコタ・ファニングが出演しています。この作品にも出演し、次回は『宇宙戦争』にも出演しているわけですごく忙しいだろうなあ、この子って思います。そして、演技も見事です。完璧すぎて少し面白くない気もします。もう少し、演技に子どもっぽさがあってもいいのにと思うほどです。ロバート・デ・ニーロがお父さん役ですが、ちょっと年齢的に高齢なパパですね。年も体形も変わりましたね。ゴッド・ファーザーⅡのデ・ニーロとは違いすぎです。

心に傷を持った子どもが架空の人物に自分の気持ちを語らせるということは心理学的によくあるということですが、この映画『ハイド・アンド・シーク』では、心的外傷を持つエミリーがチャーリーという架空の人物にエミリーの心を語らせていることになります。実際、エミリーの気持ちをチャーリーが代弁しているのか思わせるシーンが何度も見られます。

このチャーリーエミリーの想像上の産物と思っていたら、チャーリーは事件を引き起こします。ネコのセバスチャンが殺されてしまうのです。空想のチャーリーが本当にいるのだと思わせられ、ぞっとします。それから、悲劇がまた起きていくのです。本格的な恐怖ものの映画が好きな人には物足りないかもしれませんが、ちょっとした怖そうな映画を観たい人にほどよい映画だと思います。

これから先、ネタバレを含みます。ご注意を。

私の考えですが、実は母殺しの犯人をエミリーはある程度感づいていたと思います。そう考えるとエミリーの行動がいろいろつじつまがあっています。引越しした家でのゲストに冷たいエミリー。人のお人形をバラバラにするエミリー。それはゲストを危険から遠ざけるためのものだったと思うのです。父デビッドがチャーリーであり、母アリソンを殺していたわけですから。

物事を深く考えない私は騙されました。犯人がパパだったとは。私は本気でとなりのオヤジか夜中にカギを持ってきたヤツが怪しいと思っていました。そして、パパは施設職員のキャサリン(ファムケ・ヤンセン)に殺されるわけですが、救出後のエミリーが描いていた絵が不気味ですね。エミリーも二重人格な人物として成長していく予感を感じさせます。(2005年4月23日TOHOシネマズ緑井で鑑賞)

原題:Hide and Seek
監督:ジョン・ポルソン
脚本:アリ・シュロスバーグ
音楽ジョン・オットマン
出演:ロバート・デ・ニーロ、ダコタ・ファニング、ファムケ・ヤンセン、エリザベス・シュー、エイミー・アーヴィング
製作年度:2005年
製作国:アメリカ
上映時間:102分

ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。
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By NOV at 15:19 | Comments [0] | Trackbacks [10]