2005年09月14日

映画『Dear フランキー』

Dear Frankie [Original Motion Picture Soundtrack] 『Dear フランキー』を観に行きました。『Dear フランキー』は母親が息子につき続けた嘘がきっかけで起こるできごとを感動的に描いた作品です。どこか郷愁漂うスコットランドを舞台に、『猟人日記』のエミリー・モーティマー、映画『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラーが機微を巧みに表現した演技を披露しています。

シングルマザーのリジー(エミリー・モーティマー)は、暴力が原因で夫と別れる。リジーは9歳の難聴の息子フランキー(ジャック・マケルホーン)とリジーの母(メアリー・リガンズ)と一緒に逃げ回るように暮らしていた。
リジーはフランキーの父親が船で世界中を回っていると嘘をつき、まだ見ぬ父親にフランキーはせっせと手紙を書いていた。その手紙の返事は父親の振りをしてリジーが書いていた。
フランキーはパパがACCRA号に乗っていると信じていた。ACCRA号はリジーの作った架空の話の船の名前だったが、フランキーはACCRA号が地元に入港することを知る。

暴力夫と別れ、今も怯えるように逃げながら生活するリジー。まだ見ぬパパに憧れや寂しさを感じるフランキー。リジーにとって現実のフランキーの父親は恐怖や嫌悪の対象であったが、皮肉なことにフランキーにとって架空の父親は憧れの対象である。

ACCRA号入港のニュースを聞いて父親に会えると期待している息子フランキー。そんな息子を見てリジーは思い悩んだ末、酒場へ足を運び一日限りの父親役を探すが徒労に終わる。しかし心温かい友人の協力により、過去も未来も現在もない男、ストレンジャーを紹介してもらう。

一日限りの父親を演じる男とフランキー、リジーの三人が出会い、フランキーは無邪気に喜ぶ。フランキーの前ではタフな母親を演じていたリジーも束の間の家族の幸せを感じていた。あまりにも息子と親しいストレンジャーに対してリジーは複雑な感情を抱く。それぞれの登場人物の感情表現がとても現実感あふれる素晴らしいものだった。

港の見えるスコットランドの風景も素敵なものだった。どこか寂しさ漂いながらも変わらぬ懐の温かさを秘めた景色がノスタルジックに感じられた。そして前面に出すぎず心地よいサウンドがとてもこの作品の風景、ストーリーにマッチしている。

ささやかな希望の光を運んでくれるようなこの映画は前向きな力を与える。もし私の母がこの映画を観たらどう思うのだろう。私の母は暴力が原因で元夫から逃げるように別れ、二人の子を連れて新しい生活を始めた。私の母と父はどういう出会いがあったのかさっぱりわからない。(大昔に尋ねたことがあったがはぐらかされたような気がする。)私の父がストレンジャーで、母はリジー的立場だったのかなと思うと更に感慨深いものがある。

僕の秘密は戸棚にはありません。パソコンの中に……。

お気に入り度:★★★★★★★★☆☆(8/10)

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原題:Dear Frankie
監督:ショーナ・オーバック
脚本:アンドレア・ギブ
音楽:アレックス・ヘッフェス
出演:エミリー・モーティマー、ジャック・マケルホーン、メアリー・リガンズ、ジェラルド・バトラー、シャロン・スモール
製作年度:2004年
製作国:イギリス
上映時間:102分


「Dear フランキー」オリジナル・サウンドトラック [国内盤]

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Dear Frankie オリジナル・サウンドトラック[輸入盤]
Tim Luntzel Josephine Knight Michael Clarke
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Dearフランキー ノベライズ
アンドレア・ギブ 入間 真
Dearフランキー


By NOV at 18:00 | Comments [2] | Trackbacks [4]

2005年07月06日

映画『猟人日記』

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『猟人日記』は、アレグザンダー・トロッキの自伝的小説「ヤング・アダム」の映画化作品である。1950年代のスコットランド・グラスゴーで、本能のままに生きる青年の行動を通して運命の残酷さや虚無感が描かれる。

青年ジョー(ユアン・マクレガー)は、船長のレズリー((ピーター・ミュラン)と二人で海に漂う若い女性の水死体を、桟橋の上に引き上げる。貨物船で運搬業を営む夫妻のもとでジョーは、作業員として働いていたが、夫のレズリーがパブへ出かけた隙に、その妻エラ(ティルダ・スウィントン)と性的関係を持つ。そして、水死体にまつわる事実がやがて明かされていく。

この作品は、ジョーが貨物船で作業員をしている時間軸と元恋人のキャシー(エミリー・モーティマー)と出会ってからの時間軸の二つで構成されている。ジョーの元恋人キャシーとの回想シーンが進行していくと、やがて女性の水死体に隠された真実が明らかとなる。

画面は、全体を通じて鬱陶しい気分にさせるようなく重々しさが漂っており、不倫や殺人、冤罪などといったダーティーな事柄ばかりが起きそうな雰囲気に満ちていた。

ユアン・マクレガー最新作の『アイランド』も気になる今日この頃ではあるが、『猟人日記』に出演しているユアン・マクレガー演じる小説家志望のジョーの放蕩青年ぶりにはかなり驚かされる。「女なら誰でもいいのか?」って思ってしまうくらい次から次へと成り行きまかせに女性をハシゴすることに。
ジョーは女をいろいろ抱くわけであるが、そこにおそらく愛はなく、ただ渇きを癒すかのごとく女を求める男の姿があるだけだ。ユアン・マクレガーは、そんなふうに衝動のまま行動するジョーを見事に演じていた。

エラを演じるのはティルダ・スウィントン。最近私が観た映画『コンスタンティン』ではガブリエル役としても出演していた。この映画の登場人物の中で、彼女の演技は特に目を見張るものだった。
ジョーに対して冷淡であるかのように見えたエラだが、一度、肉体関係をジョーと持ったとたん、とてもオープンになる。この変貌振りに驚かずにはいられなかった。ユアン・マクレガーとの情事は、薄汚く本能的で、妙なリアリティが感じられる。

この映画は、鑑賞して感動したり、心の糧となったり、わくわくして楽しめたりするわけではないので、誰にでも薦められるというものではない。しかし、退廃的で本能的、不条理なこの物語は一見の価値はあるだろう。妙に後を引く一本である。それから、ユアン・マクレガーのファンの女性にはちょっとキツイ一本かもしれないことを付け加えておきたい。(2005年6月日シネツイン1で鑑賞)

お気に入り度:★★★★★★☆☆☆☆(6/10)

原題:Young Adam
監督:デヴィッド・マッケンジー
原作:アレグザンダー・トロッキ
脚本:デヴィッド・マッケンジー
音楽:デヴィッド・バーン
出演:ユアン・マクレガー、ティルダ・スウィントン、ピーター・ミュラン、エミリー・モーティマー、ジャック・マケルホーン
製作年度2003年
製作国:イギリス/フランス
上映時間:98分


映画『猟人日記』のDVDと原作本の紹介

猟人日記 DVD
ユアン・マクレガー
猟人日記

ヤング・アダム 単行本
アレグザンダー・トロッキ 浜野 アキオ
映画『猟人日記』の原作小説です。
ヤング・アダム

By NOV at 13:30 | Comments [0] | Trackbacks [4]

2005年05月29日

映画『運命を分けたザイル』

『運命を分けたザイル』公式サイト
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運命を分けたザイル@映画生活
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『運命を分けたザイル』は実話を基にしたドキュメンタリー・フィルムだ。前人未到のシウラ・グランデ峰西壁登頂に成功した二人の登山家の壮絶な物語。我々は超人的な生命力にただ驚くばかりである。

1985年、英国人登山家ジョー・シンプソンとパートナーのサイモン・イェーツは、ペルーのアンデス山脈にある標高6600メートルの難関、前人未踏のシウラ・グランデ峰西壁登頂に成功する。しかし、下山途中に山の天候は一変し、二人は雪嵐に見舞われる。視界ゼロ、体感温度マイナス60℃の悪条件の中、足場が崩れるとジョーは滑落して、片足を骨折してしまう。山での骨折は死を意味する。激痛で自らを支えることすら出来ないジョーを、生還させようと果敢に救出を試みるサイモンだったが、ジョーの体はバランスを崩し、標高6400メートルの氷の絶壁で宙吊りになってしまう。(『運命を分けたザイル』公式サイトから引用)

この映画の撮影は相当の困難を極めたという。アンデスやアルプスの山岳地帯で撮影されたシーンを見れば、どうやって撮影したのかと思える場面ばかりだ。氷の壁を登る場面、ジョーが宙吊りになる場面、吹雪の場面など普段目にすることのない場面の連続である。

山に生きる男たちが試練を乗り越える力強いストーリー。超人的なエネルギーがスクリーンから伝わってくるようだった。また、サイモンはジョーのザイルを切る。それは、サイモンが生きるための必然的行動だった。このサイモンの行動は後々責められたそうだ。それを責めることが正しいか正しくないかは私にはわからない。でも、私もきっとサイモンの立場なら、きっとザイルを切るだろう。

ザイルを切られた後のジョーの生き残る力はいったいどこから出てくるのだろう。ジョーはクレバスに落ち、絶望の淵から奇跡的に生還する。ジョーが遭遇した困難に比べれば日ごろの困難は実に些細なことだ。

作品ではジョーとサイモンの本人のインタビューのシーンが時折あるので、二人とも助かっていることがわかる。事実を基にしているので、それを隠しても仕方がないということだろう。おそらく、登山家の間では既知のことだ。ただ、何も知らずにこの映画を観に来る人のことを考えると、その事実を伏せて、最後に事実を明らかにした方が驚きは大きいし、鑑賞している間、観客はより緊張感を保ちながら鑑賞し続けることができるかもしれない。(2005年5月27日サロンシネマで鑑賞)

原題:Touching the Void
監督:ケヴィン・マクドナルド
原作:ジョー・シンプソン(死のクレバス―アンデス氷壁の遭難
脚本:ジョー・シンプソン
出演:ジョー・シンプソン、サイモン・イェーツ、ブレンダン・マッキー、ニコラス・アーロン、リチャード・ホーキング
製作年度:2003年
製作国:イギリス
上映時間:107分

By NOV at 11:13 | Comments [0] | Trackbacks [4]

2005年04月20日

映画『ラブ・アクチュアリー』

『ラブ・アクチュアリー』公式サイト
『ラブ・アクチュアリー』を上映している映画館は?

Love Actually 『ラブ・アクチュアリー』は、日本では昨年の2月公開された作品です。少し気になる作品ではあったのですが劇場では観ることなく一年ほど過ぎてしまいました。たまたまシートも入れ替えて間もないシネツイン2で再上映されていたので、800円を払い鑑賞しました。

いろんな人のいろんな愛の物語がぎっしり詰め込まれたお話しです。なんだかちょっと高めのチョコレート詰め合わせを味わうような感覚で映画を観たような気がします。いろんな人がいて、いろんな愛があって、結構ベタかもしれないけれど、もうそれははじめからほぼそう思わせる導入だったのですんなり作品を味わえました。チョコレートの一粒一粒に個性があって楽しめました。歌の上手な少女に恋をしている少年のお話が一番好きです。子どもには私は弱いのかもしれない。

群像劇は少し苦手でしたが、この映画はうまく作られていて観客を退屈にさせることなくリズム良く展開していきます。映画で使われている音楽もラブリーなものばかりです。いくつかのうまく行き過ぎる展開をみせるお話しに驚きますが、ちょっと疲れた時に観るときっと心が癒されますね。イギリス人ってアメリカであんなにモテるのでしょうか。
All you need is love, isn't it? (2005年4月16日シネツイン2で鑑賞)

ラブ・アクチュアリー@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。
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監督:リチャード・カーティス
脚本:リチャード・カーティス
音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、コリン・ファース
製作年度:2003年
製作国:イギリス/アメリカ
上映時間:135分


映画『ラブ・アクチュアリー』のサウンドトラックやDVDなどのご案内

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ヒュー・グラント リチャード・カーティス ヒュー・グラント エマ・トンプソン
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同じDVDが二枚入っています。一枚はプレゼントに……。

「ラブ・アクチュアリー」サウンドトラック
サントラ ガールズ・アラウド シュガーベイブス ケリー・クラークソン
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Love Actually
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ラブ・アクチュアリー 書籍
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DHC完全字幕シリーズです。英語学習のお供に。

By NOV at 19:19 | Comments [0] | Trackbacks [1]