2012年09月16日

映画『夢売るふたり』

西川美和監督の新作、『夢売るふたり』を観ました。西川美和監督は、私が住んでいる広島市出身の気鋭の若手映画監督です。これまでの作品の脚本はすべて監督自身の手によるものでした、そして今回もこれまで同様オリジナル脚本です。

あらすじなどはこちらの映画『夢売るふたり』公式サイトをご参照。

序盤は小料理屋のシーンからはじまります。臨場感にあふれ、美味しそう。主役のふたりにとって最高の世界が描かれています。

そして、その世界からの転落、世界の再生のために主役のふたりは奮闘?するわけです。浮気をした夫の方は妻のいいなりとなり結婚詐欺を.重ねていくのです。

多くの人物の心の機微が見る者によく伝わってきて、役者を使ってのそのあたりの表現力がずば抜けているなあと改めて思わされました。人間というもののおろかさや素晴らしさが幾層にも重なり表現されていて味わい深いのです。

今回一人で観賞しましたが、結構性的な表現が多いので、カップルで見るには注意が必要かもしれません。

『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』同様、今作も素晴らしい。映像、脚本、演技のどれをとってもいいものを見せてくれました。次回作が待ち遠しいですね。

広島バルト11にて観賞

夢売るふたり 西川美和の世界
文藝春秋

夢売るふたり 西川美和の世界
きのうの神さま (ポプラ文庫 日本文学) その日東京駅五時二十五分発 ゆれる (ポプラ文庫) acteur(アクチュール) 2012年9月号 No.31 シアターガイド 2012年 09月号 [雑誌]
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2012年07月24日

映画『おおかみこどもの雨と雪』

朝起きて、今日はいつも以上に仕事も頑張って、子供とも関わろうと私は思った。

それは、前日に映画を観に行ったから。『おおかみこどもの雨と雪』は、そんな気力を私に与えてくれた。

この映画は、アニメーション映画で、『時をかける少女』、『サマーウォーズ』に続く細田守監督の三作目。恋人とのつながりや家族の絆をこれまで鋭く描いてきた監督の三作目ときたら否が応でも期待してしまう。

今作『おおかみこどもの雨と雪』は、おおかみおとこと人間の間に生まれたおおかみこどもの姉弟の成長を描いたもの。

大胆な設定だなと思った。おおかみおとことの間に子供が生まれるってありえない前提にどんな風に物語が成立するのか楽しみに観に行った。

前日のレイトショーの109シネマズ。30人くらいは観客がいたかな。久々の映画なので、映画館にいるだけでも楽しい気分。

ご都合主義の強引なプロットがいくつか気になった。でも、そんなことはどうでもいいかって思う出来の映画だった。

おおかみこどもの雨と雪の母は特殊な子供の親となった責任を精一杯果たそうと並大抵ではない努力をするのだ。まずはおおかみこどもが生まれたとばれてはいけないがため自宅で出産。人目を避ける日々。都会で暮らせなくなると、非常に不便な山奥へ引っ越し自給自足の生活をはじめようとする。

おおかみこどもの雨と雪はおおかみに変身できる特殊な能力を持っている。雨と雪が大きくなっていく過程で、変身できる能力が二人の命運を左右し、それぞれの道を選ぶ。

子供をきちんと育てられない親が、親になりきれていない親が多いと言われる昨今、この映画が公開されたことは素晴らしく、意義深いと勝手に思っている。

子育ては、一瞬一瞬の時の積み重ね。子ども自身が社会的に一人前になるよう育つように導く責任を生まれた瞬間から負う。幼い時はかわいい子供もいつかは大きくなり巣立っていく。映画を観て、そんなことを改めて思わされた。

おおかみこどもの雨と雪@ぴあ映画生活

キネマ旬報増刊 ANIME KINEJUN vol.02「おおかみこどもの雨と雪」大特集

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関連商品
細田守ぴあ (ぴあMOOK)
アニメスタイル001(特別付録『おおかみこどもの雨と雪』設定資料集) (メディアパルムック)
おおかみこどもの雨と雪 オフィシャルブック 花のように
SWITCH Vol.30 No.8 特集:細田守『おおかみこどもの雨と雪』はこの世界を祝福する
おおかみこどもの雨と雪 絵コンテ 細田守 (ANIMESTYLE ARCHIVE)
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2010年06月17日

映画『告白』

 映画『告白』は、湊かなえ原作の小説『告白』(ちなみに2009年本屋大賞作品)を、中島哲也監督が映画化した作品。

 昨年『サマーウォーズ』を観て以来映画館が遠のいていた私。この作品はかなり評判が高く、私を劇場に足を運ばせた映画となった。

 お話の導入はこんな感じ。
 終業式の日に、中学一年生の生徒を前に松たか子扮する森口悠子先生はある告白をする。それは、彼女の事故死した娘が実は教室にいる少年二人に殺されたこと。その告白後、彼女は教壇を去るが、それは彼女の復讐のはじまりだった。

 お話の進行は、始めは森口悠子先生の告白を中心に話が進む。次は学級委員の北原美月(橋本愛)の告白、また次の章では他の登場人物の告白により真相が明らかになるという形式であった。

 このお話は、復讐を描きつつ、同時にテーマに命や少年法を織り込んでいるように少し見える。自分勝手な都合で娘を殺した少年二人に対する先生の復讐方法が実に戦略的だと感じる。また、こうでもしないとこれほど大事なものを失う辛さを少年二人に実感させてあげることができる方法はないのかもしれない。

 一方で、このような「目には目を歯には歯を」の報復型私刑で本当によいのかという疑問はある。未成年に対するひとつの教育として考えると許容されるのかどうかわからないけど、釈然としないものがある。その復讐行為を否定したら話にならないかもしれないけど。

 本当にこの話には救いが無い。どんな暗い映画、凄惨な映画であっても、一条の光が最後に見えれば、少しは気持ちよく映画館を後にできるが、純粋なエンタテインメントな作品というわけでもないから、なんか見ちゃいけないものを見てしまったかなあと感じた。中学生以下は見るべきではない。R-15は適切と思う。

 松たか子扮するすごくすごく執念深い怨念を持った森口先生、コワイ。(娘を殺されたのだから当然か。)少年やクラスメートの大半は心が病んでいるようにしか見えない。迫真の演技を多くの俳優人が見せているところ、映像的音響的な効果が優れているところはやはり監督の手腕だなと思う。

 本作品とは関係ないが、復讐の執念深さは『親切なクムジャさん』、最後の一場面の後味の悪さは『セブン』を少し思い出させた。(2010年6月17日広島バルト11で鑑賞)

映画『告白』公式サイト
監督:中島哲也
脚本:中島哲也
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生
製作年度:2010年
製作国:日本
上映時間:106分

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2009年10月02日

映画『サマーウォーズ』

『サマーウォーズ』はアニメーション映画。3年前アニメーション映画『時をかける少女』を鮮烈に世に送り出した細田守監督の作品です。


映画の導入はこんな感じ。

OZという仮想空間が人々の大切なインフラとなっているちょっと近未来が舞台。コンピュータや数学好きな高校生の小磯健二は、夏希先輩に頼まれごとをされる。それは4日間彼女の長野県の田舎へ一緒に行くこと。田舎へ行った健二は20人以上(はいたかな……)もの夏希の親戚に圧倒される。しかも、突然、90歳の彼女の曾祖母の前で婚約者として振舞って欲しいと頼まれる展開に。

その後は、無事に夏希の親戚と平穏に過ごすかと思われる雰囲気であったが、これから急に事態は変わる。そして、世界が破滅するかも知れない危機と戦うことになっていく。


感想ですが、とても面白く強く訴えかけるものがあったと思います。そして、こんな映画みたいな絆のある家族っていいなと改めて思ったし、また、これから自分自身が少しでもそうありたいなと思えました。ご先祖あって私自身があるのだなと改めて思った次第です。

夏希の曾祖母の言った家訓(のようなもの?)によると、一人でいることとお腹をすかせることは悪なんだそうな。確かにそうだと思えました。大げさかもしれませんが、この映画の中の家族から学び取ることが多くあるなと感じました。

また、エンタテインメント性にも溢れているし、夏の風景も良く描けているし、家族のキャラもそれぞれ個性があり、観客を飽きさせることありません。今年観てとても良かった作品の一つとなりました。(2009年9月29日109シネマズ広島で鑑賞)

映画『サマーウォーズ』公式サイト
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
声の出演:神木隆之介 桜庭ななみ 谷村美月 富司純子
製作年度:2009年
製作国:日本
上映時間:114分

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2009年06月18日

映画『重力ピエロ』

『重力ピエロ』を観に行った。久しぶりの劇場鑑賞だ。今年4月の末に完成したばかりの109シネマズ広島で観た。ちなみに伊坂幸太郎の小説『重力ピエロ』が原作。

舞台となる街は仙台。そこで連続放火が起こっていた。大学院で生物学遺伝子関係の研究をする兄(加瀬亮)と街の落書きを消し回っている画才のある弟(岡田将生)。その2人の兄弟と父(小日向文世)を中心に物語は進む。

次々と現れるグラフィティアートと称される落書きや続発して起こる放火。「これらは何か関連があるのか?何のために犯人はこのようなことをするのか?」といったミステリー的要素が盛り込まれている。
そういったミステリー要素を背景にしつつ、この映画『重力ピエロ』は、家族とは何かということを、映画を観ていた私にしっかりと投げかける。テーマが重く、いろいろ嫌な気分になったが、最後にちょっと救われた思いはする。きっとあれで良かったんだ。映画だし。三人の演じる家族がとても良かった。

重力ピエロ (加瀬亮、岡田将生 出演) [DVD]
重力ピエロ

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2006年06月04日

映画『嫌われ松子の一生』

嫌われ松子の一生』は、『下妻物語』の中島監督の作品である。そういうわけで、きっとはずすことはないだろうと期待して観た。

人生をちょっとした事から踏み外してしまう松子(中谷美紀)という女性が主人公の物語。教師となった松子は、父親の愛に飢えてはいたものの、堅実な人生を送っていた。ところが、生徒の万引き事件をきっかけに人生はあらぬ方向へ転がり落ちていくのである。転がり落ちた後は、女性として運命に翻弄されるばかりで、風俗で働いたりろくでもない男たちと一緒になり報われない人生を送る。

人生の意義とか意味とか悲哀を感じずにはいられないという感じだった。松子は、おそらく典型的なダメ男にしがみ付いてしまう女性であり、どうして松子はそのような人生を送ってしまったのだろうと思うとやりきれない気分になってしまう。

全編を通じて、これでもかというくらい趣向を凝らした視覚的効果やミュージカル的な音楽に満ちていて観客を満足させてくれる。視聴覚的演出がこれくらい凝っていないとただ悲壮感漂うだけの物語にしかならなかったところであるが、エンタテインメントとして見事に楽しませると同時にちょっと人生についてあれこれ考えさせてくれる。

この映画はうろ覚えだけど、確か監督さんが中谷美紀さんに女優をやめてしまえと言ったとかいうことでも話題になっていたかな。しかし、中谷美紀さんはとても大変な役を見事に演じたなあと思う。役作りはとても大変だったのではないだろうか。

いろんな意味でこれくらい出色な作品はなかなかお目にかかれない。はっきり言ってオススメです。それから、これはサントラも買いですよ。

嫌われ松子の歌たち
サントラ 木村カエラ ch feat.B-BANDJ

嫌われ松子の歌たち

関連商品
嫌われ松子の一年
嫌われ松子の曲たち
MUSIC FROM quot;MEMORIES OF MATSUKOquot; -嫌われ松子の音楽- メイキング・オブ 「嫌われ松子の一生」
Golden Tears
嫌われ松子の一生 (上)
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2005年09月03日

映画『容疑者 室井慎次』

「踊る大捜査線」の脇を固める登場人物を主人公にした映画第二弾。第一弾の「交渉人 真下正義」に続く第二弾の『容疑者 室井慎次』では室井慎次(柳葉敏郎)が主人公。

まあ一般的に映画は商業的なものなので、観客動員を気にしないわけにはいきません。この映画はちょっと観客をナメた映画かなあと思わざるを得なかったです。

良い流れとしては、面白い映画を作って観客を一杯動員しようというものです。ところが、この踊る大捜査線関連映画の場合は、完成度が高かろうが低かろうがかなり観客動員が見込めるためかどうかわかりませんが、テキトーに作ってまあそこそこ観客が入ればいいという好ましくない態度が根底にあるように思えました。

内容にある程度触れています。ネタバレ的なこともあるので未見の方はご注意を! 

ある警察官が殺人を犯した疑いで取り調べ中、彼は走って逃げます。そして逃走中トラックに衝突し死んでしまうのです。強引な取調べが一人の警察官の死を招いたということで室井慎次は逮捕されてしまいます。

ちょっと妙で強引な導入ではありましたが、それでも室井慎次はこれからどうなるんだと思わせてくれます。でも、だんだんと焦点がぼやけてつまらなくなっていきました。

もっと詳しく描写すべきもの、例えば、警察庁と警視庁のせめぎあいとか容疑者室井慎次を救う活動状況などを描かず、その一方、やたら不気味でリアリティに欠けると思われる弁護士集団の描写はなんか勘違い気味に濃すぎる描写で気持ち悪かったですね。弁護士界に詳しくないけれど、なんかウソっぽく感じました。それから、歌舞伎町周辺の警察署ってあんな感じなのでしょうか。不思議に思いました。

いろいろと不満な点もあったため登場人物がそれぞれ抱えていた重い過去にもあまり入り込めなかったですね。上手くすればドラマに深みを持たせることができたのに。残念です。

ラストにかけて、田中麗奈扮する駆け出し弁護士がようやく活躍するのかと思ったら、犯人側のゲーマー弁護士が自滅しただけで脱力してしまいました。そりゃないでしょって感じです。妙に狂っているキーとなる女性もラストであんなセリフを吐いては観客が唖然としちゃいますね。そういうキャラクターとはいえ室井慎次はほとんどしかめっ面で言うべきことを主張しないし。とにかくいろいろと観客を苛立たせます。

製作者側に言いたい事は、「一度勇気を捨ててしまうと二度とそれは取り戻せない(劇中のセリフ)」。しかし、ぜひ取り戻していい作品を作って欲しいです。

お気に入り度:★★★★☆☆☆☆☆☆(4/10)

『容疑者 室井慎次』公式サイト
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監督:君塚良一
脚本:君塚良一
音楽:松本晃彦
出演:柳葉敏郎、田中麗奈、哀川翔、八嶋智人
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:117分


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2005年08月14日

映画『リンダ リンダ リンダ』

私の高校時代の文化祭は屋外展示物の製作ばかりでちょっとつまらなかったけれどそれはそれで今は思い出なのかもしれない。映画制作クラスが楽しそうだった。『リンダ リンダ リンダ』は多くの人の高校時代をさまざまな形でしんみりと思い起こさせる映画かな。どことなくダラダラした展開を受け入れられるかそうでないかがこの映画の判断の分かれ目かもしれない。

ちょっとサプライジングなことにこの映画には韓国女優のペ・ドゥナが主演女優で登場している。山下監督の熱いラブコールによりペ・ドゥナの出演が実現したそうだ。さらに驚くべきことはペ・ドゥナの年齢。現在25歳である彼女が映画で女子高校生役を演じている。実際、彼女は他の女優たちとの年齢差はとても気にしていたそうな。
ペ・ドゥナはある映画で結構過激なシーンをやっていたので、鑑賞中そういうシーンが頭にちらつくことが少しあり、なんとなく気まずく思ってしまった。この映画ではそんなシーンとは無縁なイノセントな女子高校生を演じる。
ペ・ドゥナの他、ローレライでパウラ役を演じたキリッとしたお姉さんの香椎由宇、『バトル・ロワイヤル』では藤原竜也と一緒に逃げる前田亜季、実際に「Base Ball Bear」というバンドで音楽活動をしている関根史織の4人でバンドのメンバーを演じる。


高校文化祭の前日にバンドのメンバーのギタリスト萌が指を骨折してしまい、恵(香椎由宇)、響子(前田亜季)、望(関根史織)の3人はどうするべきか困ってしまう。どうしても文化祭でバンド演奏をしたい恵はブルーハーツのギターならなんとか演奏できるということで、あとはボーカルをやるメンバーを急遽探すこととなる。韓国人留学生のソン(ペ・ドゥナ)はボーカルをしないかと3人から突然の誘いを受けるのだ。


この映画は肩の力をほどよく抜いたような映画で、隠しカメラで日常を切り取ったような作品である。映画の中の1コマ1コマに対して「あるある。そういうの」と思わせてくれる現実感に富む映画だ。文化祭会場やメンバーの女子高校生の家なども実際にありそうな雰囲気満点で製作側のこだわりを感じる。

急遽加わったソンと3人のメンバーたちでどうにかこうにか本番の日までにブルーハーツの数曲をコピーして演奏しなければならない。何せたった四日間しかない間に日本語もおぼつかないソンをボーカルにしてバンドを成功させようという四日間の奇蹟の物語。脇を固める出演者も面白い。萌役の湯川潮音や屋上の女子生徒の山崎優子ははただモノではないと思っていたら、やはり音楽活動をしている人たちだった。

韓国から出演したペ・ドゥナには当然韓国人らしいキャラクターが割り当てられている。一人でカラオケに行って朝鮮語で「Can you celebrate?」を歌ったり、思った事ははっきりと言ったりする。ある男子高校生が朝鮮語でソンに会話をすると、ソンはそれに日本語で返事をする。そんな場面をみると、あるなあこういうのって感じた。

急遽組んだバンドの選曲が幸い私と同時代なので恐ろしいほどスッキリとこの映画は心の中に入り込んできた。もし選曲が、今が旬のバンドの曲だったらそうではなかったかもしれない。そういう意味でこの映画は今30前後の人にとって一番オイシイ映画のような気がする。満足しました。僕にはどこかノスタルジックな映画でした。現在高校生の人たちにとってはそうじゃないだろうけど。

お気に入り度:★★★★★★★☆☆☆(7/10)

『リンダ リンダ リンダ』公式サイト
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監督:山下敦弘
脚本:向井康介、宮下和雅子、山下敦弘
音楽:ジェームズ・イハ
出演:ペ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織、三村恭代
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:114分


映画「リンダ リンダ リンダ」オリジナル・サウンドトラック
映画「リンダ リンダ リンダ」オリジナル・サウンドトラック
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タイド&エコー
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2005年07月31日

映画『亡国のイージス』

見るんじゃなかった……と、この私が珍しく思ってしまった作品。この映画に原作小説があることはもちろん知っている。しかし、私はそれほど小説を読まないし、ましてや映画原作になっているから前もって読むということはしないのである。

基本的に映画というのものは一度観てそれを概ね内容を消化できるものでないといけない。そのことが不十分な映画作品は、どんなに原作小説が面白くても駄作といわざるを得ないと言いたいくらい映画『亡国のイージス』は消化不良でわけのわからない映画だった。

宮津がなぜ外国人と協力してテロを行なおうとしているのかの描写もあまりわかりやすく伝わらなかった。如月が何者なのかもいまひとつわからなかった。それにヨンファって一体どこの国の人かわからないし、FTGが何の組織なのかもわからない。ジョンヒが艦内にいる理由ももちろんわからなかった。

原作小説を読んでいる人にとっては、小説の一部が映像化されているこの作品を別の角度から楽しめると思われるが、読んでない人にとっては、チンプンカンプンな映画である可能性がかなり高いのではないかと。

画面の雰囲気も決して悪いものではなかったし、出演者も有名な面々が出演していた。しかし、説明不足な脚本が映画そのものを台無しにしている。作品としてきちんと成り立った映画作りをして欲しいと思うばかりである。観客は原作小説を読んでくるだろうとか後で本を読んでくれと言わんばかりの映画作りは止めて欲しい。小説のプロモーションビデオじゃないんだからさ……。
(2005年7月30日広島スカラ座で鑑賞)

お気に入り度:★★★★☆☆☆☆☆☆(4/10)

監督:阪本順治
原作:福井晴敏
脚本:長谷川康夫、飯田健三郎
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
出演:真田広之、寺尾聰、佐藤浩市、中井貴一、勝地涼
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:127分

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2005年07月21日

映画『星になった少年 Shining Boy and Little Randy』

映画『星になった少年 Shining Boy and Little Randy』の話の前に個人的な話から。私はタイが好きです。私の数少ない海外旅行歴の中でダントツの訪問回数を誇る。手頃な予算で旅ができて、リラックスできるところがお気に入りの理由かな。

ちょっと、今回は特別に、タイ旅行の写真を公開させていただきます。ゾウ絡みの写真がほとんどですが、どうぞご覧ください。(クリックすると写真は拡大します。)

象に乗って1
私は左側から数えて二番目に写っています。
トレッキングの途中、象に乗せてもらいました。

象に乗って2
上の2つの写真は人に撮ってもらった写真です。

首長族の村の風景
首長族村のおみやげ屋。観光地となっています。

川で水浴びする象
首長族の村にいた象たち。気持ち良さそうですね。

それでは、そろそろ『星になった少年 Shining Boy and Little Randy』の話を始めたいと思います。

小川哲夢(柳楽優弥)の家は動物プロダクション。犬、猫、ポニー、牛、ロバ、羊、山羊、ラクダ、チンパンジーなどと家族は共に暮らしていた。ある日、哲夢の母、佐緒里(常盤貴子)が購入したゾウのミッキーと出会う。その後、仔ゾウのランディもやってきたが、ランディは人のいうことを聞くように訓練されていなかった。哲夢はゾウ使いになるためタイへ行くことを決意する。

この映画は映画好きならもう誰もが知っているご存知カンヌ賞受賞俳優の柳楽優弥君の主演作品です。日本で3週間、タイで2週間のゾウ使いの訓練を受けたという。哲夢役の彼がゾウ使いの術を体得していくタイでの場面に引き込まれました。ゾウを扱えるようになった頃の彼は本当のゾウ使いにしか見えなかったですね。

タイのゾウ使い学校の生徒との距離に現実感がありました。「こいつ、日本から何でゾウ使いの勉強に? 道楽で来ているんじゃないのか」という眼差しを哲夢に向けます。まったくゾウを扱えず、ゾウに振り回されてばかりいた哲夢にはとても痛そうな眼差し。家でゾウを飼っている人は大金持ちだとタイ人は言う。

ゾウを扱えない苦難を乗り越えた哲夢は、やがて生徒たちとも打ち解けます。タイ語もかなり板についていました。訓練を終える頃、もう哲夢はタイ人にしか見えなかったです。本当に。
余談ですが、基本的にタイ人はテツをテツと発音しません。テスになってしまいます。カズヤはカスヤと発音してしまうのがタイ人です。まあ、そういうわけで哲夢はタイ人の発音を正す場面があります。

ちょっと知っておくといいかもしれないタイ語をいくつか。
チャーン:ゾウのことです
アオ:食べるという意味です。
アローイ:おいしい。うまい。
ヌン、ソン、サーム:1、2、3
マイペンライ:気にしない。ドンマイ。
タイ語の堪能な方、他の言葉もコメントしてくれると嬉しいです。

ウルルンのようなタイ留学も終わり、日本に帰った哲夢はその後夢をひたすら実現しようとします。タイでゾウ使いの術を学んだ哲夢はもう昔の哲夢とは違い、自信に満ちた行動を取るようになっていました。ゾウさんショーの開催も見事に成功を収めましたが、「ゾウの楽園」を夢見たまま哲夢は星になったのです。あの瞬間のゾウたちの叫びが今でも耳に残っています。

偶然にも、テレビで坂本哲夢さんの葬儀シーンを見ましたが、大切な人を失ってゾウさんたちは本当に悲しんでいるように見えました。そして、映画での葬儀シーンのゾウさんたちも悲しんでいました。映画の世界でゾウが悲しみを表現するとは思いも寄らなかったことです。

実話では坂本哲夢さんは12歳でタイへ行ったのですが、映画ではその点は大きく違うところです。柳楽君の年齢に合わせてその辺は調整されたのだろうと思います。そして、賢いゾウさんたちと代役なしでゾウ使いを演じトカゲを食べ(たのかな?)タイ語を駆使した柳楽君に私は拍手を送りたいと思います。
(2005年7月16日広島宝塚で鑑賞)

お気に入り度:★★★★★★☆☆☆☆(6/10)

『星になった少年 Shining Boy and Little Randy』公式サイト
『星になった少年 Shining Boy and Little Randy』の上映映画館
星になった少年@映画生活
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監督:河毛俊作
原作:坂本小百合(ちび象ランディと星になった少年
脚本:大森寿美男
音楽:坂本龍一
出演:柳楽優弥、常盤貴子、高橋克実、蒼井優、倍賞美津子
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:113分
キャスト&スタッフについてもっと詳しく


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2005年07月19日

映画『カナリア』

『カナリア』という映画を観た。一瞬『サマリア』と聞き間違えそうになる。東京ではもう何カ月も前に公開された作品だが、広島でようやく公開されたので鑑賞できた。この映画は、地下鉄サリン事件を起こした宗教団体オウム真理教にいた子どもたちのその後をモチーフにした作品である。

題名は、地下鉄サリン事件の後、教団の強制捜査時に有毒ガス探知に用いられたカナリアや、教団の中に閉じ込められた子どもたちをカナリアにたとえられるところから由来しているようだ。

岩瀬光一(石田法嗣)は、新興宗教団体「ニルヴァーナ」の崩壊後、児童相談所に妹の朝子と共に預けられた。光一の祖父(品川徹)は朝子だけを引き取った。光一は妹を奪い返し、行方不明の教団幹部の母(甲田益也子)を捜し出すため、児童福祉施設を抜け出した。

児童相談所を脱出した光一は、東京へ行き、妹を奪い返すつもりだが、所持金をロクに持たぬ状態で、ただひたすら歩いて単独で東京へ行こうとしていた。ところが光一は偶然トラブルに巻き込まれた少女と出会う。彼女の名は、由希(谷村美月)。由希は父親の虐待から逃げたい気持ちと光一の役に立ちたい一心で東京へ一緒に行くことに。

旅の途中、光一は無口であまり笑ったりせず押し殺したような表情でいることが多い。一方、由希はおしゃべりで表情豊かで光一とは対照的。閉塞的環境の象徴としての光一は、開放的で世俗的な世界の象徴の由希と出会うことで少しずつ新たな世界に光一は馴染んでいく。

光一の教団生活時代の一部も描かれている。家族揃って出家して教団に入団する場面。親と子を引き離す場面。お供物と称される妙な食べ物が光一と朝子に与えられる場面。光一が折檻を受ける場面。現実に存在する教団とどれくらい似せているのかよくわからないけれど、カルト教団の特殊な雰囲気自体はよく伝わってくる。

光一は由希やニルヴァーナの元信者たちと出会ったことで新たな自分を築きつつあったが、新たな悲劇が光一を襲う。その後の光一の身体変化はちょっと信じられないくらい急すぎるものだったが、悲劇の影響をあえてわかりやすく表現したのかもしれない。

由希がいうように、子どもは親を選べないけれど、大人も子どもも今より明日がよくなるよう前向きに歩くことからはじめるしかない。元教団の子どもに限らず、すべての人へ向けたそんなメッセージを感じる作品である。

この作品で、由希を演じた当時12歳の谷村美月の演技は評判通り素晴らしい。不安定な少女時代特有の危うさ、少年を守りたい母性、ボーイッシュな雰囲気を持つ由希のキャラクターが彼女の演技によく表れていたように思う。今後の活躍にも期待したいです。

(2005年7月16日シネツイン2で鑑賞)

『カナリア』公式サイト
『カナリア』を上映している映画館は?
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監督:塩田明彦
脚本:塩田明彦
音楽:大友良英
出演:石田法嗣、谷村美月、西島秀俊、りょう、つぐみ
製作年度:2004年
製作国:日本
上映時間:132分


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2005年07月12日

映画『ヒナゴン』間もなく東京でプレミア上映

5月から広島で先行上映をしている映画『ヒナゴン』。いよいよ7月30日、東京・渋谷、シアターイメージフォーラムで公開されます。そして、公開一週間前の7月23日の舞台挨拶付き先行プレミア上映が決まりました。

◆先行プレミア上映について
 7月23日(土) 12:00~ 14:30~ の2回
 1回目上映終了後、2回目上映前に、伊原剛志さん、井川遥さん (予定)による舞台挨拶があります。
※7月22日(金)17:00より、シアターイメージフォーラムにて整理券を発行。定員になり次第締め切りとなります。
(情報元:映画「ヒナゴン」特設ページ


映画『ヒナゴン』リンク

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2005年07月04日

映画『電車男』

映画『電車男』公式サイト
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巷では大大評判の映画『電車男』をようやく観た。『電車男』がどんな話かということはもう説明の必要がないくらいネットの世界の人たちは知っていると思うけれど、その話の一部を簡単にちょっとおさらい。

電車男はたまたま電車の中で酔っ払いにからまれた女性を助ける。電車男はその若い女性に恋心を抱き、巨大ネット掲示板、2ちゃんねるにことの成り行きを書き込む。その後、助けた女性から電車男の家宛てにエルメスのカップアンドソーサーが届く。それから、2ちゃんねるに書き込む人たちがそれぞれ電車男に恋愛のアドバイスをする。

電車の中にいた女性はエルメスのカップとソーサーを贈ったことから彼女はエルメスと呼ばれるようになる。この話では中谷美紀がエルメスを演じ、山田孝之は電車男に扮する。女性とは縁の少ないいわゆるオタク青年と高嶺の花、エルメスとの恋愛成就なるかどうかの物語。

映画では、『電車男』の世界が映像化されていてなかなかいい感じ。電車男の気持ちはエルメスに対してとても強いものがあるように描かれている。その一方、エルメスは受身的な態度なので電車男を気に入っているかどうかは一見よくわからない。

いいとこ育ちのお嬢さんっぽいエルメスが実際には妄信的に電車男を気に入っているところが不思議でしょうがないけれど(理由はそれなりに描かれているけど足りない気がする)、まっすぐな電車男がいいヤツだった。

でも、ちょっとしたトラブルですぐネットに頼る電車男はちょっと情けないかなあ。あー、でも、これを否定したら作品が成り立たない。2ちゃんねるなしでこの話は成り立たないのだ。

私がもし都会で毎日電車を利用する生活を送っていると『電車男』にもっと現実味を感じたかもしれない。都会で生きる人々にとっては身近な感覚がきっとあるのだろうと思う。私は毎日チャリ通なもんで……。

いいですねえ。あのように高嶺の花の女性と知り合い、そこから恋愛が生まれるようになるなんて。これこそ現代の都会で生きる自称もてない人たちへ向けたファンタジーだろう。

ところで、2ちゃんねる発祥の『電車男』はいろいろ物議をかもしている。電車男 - Wikipediaを読むとちょっと素直に物語に入り込みにくい自分がいる。メディア各社の謀略だったらかなりイヤだなあ。それにしても、ちょっと売れ過ぎ。この『電車男』ヒット現象そのもののほうが『電車男』の物語よりも劇的に感じる。(2005年6月18日広島宝塚で鑑賞)

監督:村上正典
原作:中野独人(電車男
脚本:金子ありさ
出演:山田孝之、中谷美紀、国仲涼子、瑛太、佐々木蔵之介
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:101分

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2005年06月14日

映画『四日間の奇蹟』

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四日間の奇蹟―ビジュアルストーリーブック映画『四日間の奇蹟』は、山口県・角島の美しい風景を舞台に繰り広げられるファンタジーなストーリー。ピアノを弾く手を失くした男性、家族を失った女性、ピアノ演奏の才能を持つ発達障害の少女の3人に訪れる奇蹟の四日間を描く。

千織(尾高杏奈)は、如月敬輔(吉岡秀隆)と一緒に全国の施設を訪問し、ピアノ演奏を披露していた。千織は発達障害のため一般社会との関わりで困難な部分はあるものの、たぐいまれなピアノ演奏の才能を持っている。如月敬輔は5年前に銃撃に巻き込まれ手を傷つけてしまい、ピアノを弾くことはできなくなっていた。
小さな島の施設職員の岩村真理子(石田ゆり子)は、その少女を呼び、施設入所者のためにピアノ演奏会を企画する。

銃撃事件でピアノのを弾く手を奪われた敬輔や同じ銃撃事件で両親を亡くした千織、離婚して父を亡くし一人ぼっちになってしまった真理子。その3人はやがてそれぞれが失ったものを取り戻していた。
ピアニストの道を絶たれた敬輔は千織にピアノを教えていた。千織は敬輔と一緒に暮らしていた。真理子は施設で働き、入所者と家族同様な雰囲気で過ごしていた。

風光明媚な島の風景が美しい。山口県の角島が舞台のようだ。敬輔、真理子、千織の3人に訪れる奇蹟にふさわしい場所と感じさせる。

主演の吉岡秀隆はスタントなしで繊細なピアニストを演じている。また、施設職員の真理子を演じる石田ゆり子は、明るく活発で気丈なキャラクターを魅力的に表現している。そして、発達障害を持つ少女という役を演じている映画初出演の尾高杏奈は特に見事な演技を見せている。

作品中に描かれる喪失と再生を通じて、人間が本来持っている精神的なたくましさが描かれている。信じることの大切さをしっかりと胸に刻み込んでおこうと思える作品だ。(2005年6月5日ワーナー・マイカル・シネマズ広島で鑑賞)

監督:佐々部清
原作:浅倉卓弥(四日間の奇蹟
脚本:佐々部清
出演:吉岡秀隆、石田ゆり子、尾高杏奈、西田敏行、松坂慶子
製作年度: 2005年
製作国:日本
上映時間:118分


映画『四日間の奇蹟』の関連書籍やCDなどあります

四日間の奇蹟 文庫本
浅倉 卓弥
四日間の奇蹟
この映画の原作小説です。第1回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。

『四日間の奇蹟』ピアノ名曲集 「時の踊り」(CD付き)書籍
浅倉 卓弥
『四日間の奇蹟』ピアノ名曲集 「時の踊り」(CD付き)
『小犬のワルツ』や『ノクターン第二番』など、9曲を収録。曲目に合わせた書き下ろしのショートストーリーが掲載。

四日間の奇蹟―ビジュアルストーリーブック
四日間の奇蹟―ビジュアルストーリーブック
写真で映画をもう一度。出版社サイトによると映画の完全シナリオ付きとのこと。

WonderLand COMICS 四日間の奇蹟
浅倉 卓弥 瓜生 花子
WonderLand COMICS 四日間の奇蹟
おっ!?コミックバージョンの 四日間の奇蹟もあるんですね。

四日間の奇蹟 オリジナルサウンドトラック
加羽沢美濃 サントラ
四日間の奇蹟 オリジナルサウンドトラック
オリジナルサウンドトラックです。

Eternally
平原綾香 松井五郎 島健 西川進
Eternally
この映画の主題歌「Eternally」のマキシシングルです。

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2005年06月03日

映画『いらっしゃいませ、患者さま。』

『いらっしゃいませ、患者さま。』公式サイト
『いらっしゃいませ、患者さま。』を上映している映画館は?
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みなさん、病院はお好きですか?私はあまり好きじゃないのですが、でも、ケガや病気になったら行かないといけないですね。先日、映画『いらっしゃいませ、患者さま。』を観てきました。風俗業界の立て直し屋の恩地(大友康平)が、つぶれかけの病院を建て直すというお話です。

近馬(渡部篤郎)が院長を務める病院に、恩地は銃創患者として搬送され、入院したのです。それがきっかけで恩地は病院を立て直すこととなります。風俗業界の立て直し屋、恩地が掲げたキーワードは「医療はサービス業、患者さまは神様です。」でした。
恩地は、病院というところはサービス意識が低いと言い、医療行為を逸脱した新規サービスをはじめます。その1つが「ナース指名制」。患者さまは気に入ったナースに看てもらえます。」他には、「同伴人間ドック」、「ひざ枕点滴」、「口移しバリューム」、「薬の特急券」など信じられないサービスを始めます。

なんだかふざけた映画なので、気分を害する人もいると思います。その一方、実際はかなりシリアスなドラマも織り交ぜられていて、ちょっとうるっとなりそうな時もありました。特に、小日向さんが演じる患者と原さん演じるナースの二人の物語は悪くなかったです。

一般的に病院に対する不満として、「待ち時間が長い」、「不十分な医師の説明」、「病院スタッフの接遇」などが挙げられるでしょう。この映画ではそうした現在の病院の状況を描いています。現在の医療のアンチテーゼ的な恩地による立て直しを観客がどう感じるかはわかりませんが、この映画に対する医療従事者の意見は特に気になるところです。(2005年6月2日松竹東洋座・広島名画座で鑑賞)

監督:原隆仁
脚本:真崎慎、川崎いづみ、山口正太
音楽:大谷幸
出演:渡部篤郎、原沙知絵、大友康平、渡辺えり子、石橋蓮司
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:106分
詳細なキャスト、スタッフはこちらから


By NOV at 01:23 | Comments [5] | Trackbacks [7]

2005年05月29日

映画『ヒナゴン』(舞台挨拶付き)

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映画「ヒナゴン」特設ページ
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ヒナゴン舞台挨拶告知ボード『ヒナゴン』はヒバゴン伝説のふるさと比婆郡(当時)西城町で撮影されました。題名からもわかるように、この映画はヒバゴンをモチーフに作られた映画です。
製作には中国放送・ウッドワンなどの広島に密接な企業が参加しているようです。広島では先行上映で5月28日から県内各映画館で上映されています。先行上映というわけですから、その後全国で上映するものと思いましたが、まだ東京での1スクリーンでしか上映が決まっていないようですね……なぜだろう。ちょっと全国的にはまだ知られていない映画ですが、5月の28日にワーナー・マイカル・シネマズ広島へ観に行きました。

私が『ヒナゴン』を観に行った28日には、上映に先立ち主演の伊原剛志さんの舞台挨拶がありました。サングラスを掛け、襟を立てた白いシャツにジャケット、ジーンズの装いで壇上に登場しました。伊原さんはいろいろと製作の時を振り返りお話をした後、次の挨拶予定の映画館へ行きました。

少年時代にイッちゃんは怪物ヒナゴンを比奈町の山奥で目撃するものの、周りの大人たちにはほとんど信じてもらえなかった。それから30年後、イッちゃん(伊原剛志)は比奈町の町長となっていた。そのころ町ではヒナゴンの目撃情報が寄せられた。そして、町長は役場に類人猿課を復活させる。その類人猿課に東京から戻ってきた信子(井川遥)は就職することとなった。ところが、「類人猿課」を設置することは備北市との合併問題に揺れる比奈町の行政にとって新たな火種となる。

実は僕は幼いころ、とはいっても高校生のころ、にUFOを見たような気がします。闇の空をオレンジ色の光が瞬間的に左右にぱぱっと移動しました。その光を弟と一緒に見たのですがあれが何だったかは未だ謎です。隕石でも、流星でも、飛行機でも無さそうでした。
『ヒナゴン』を観て、僕は幼いころのそんな記憶を思い出したのです。山中でヒナゴンを目撃したのに大人たちに信じてもらえなかった少年時代のイッちゃんの気持ち、僕はわかります。

ヒナゴンを探しのことだけではなく、全国の過疎の市町村で特によくある合併問題のことまで映画には盛り込まれています。映画の中では、備北市と比奈町の合併で議論となります。ところで、現実ではロケ地の西城町(当時)は庄原市と合併してしまいました。映画中の備北市のモデルはおそらく最近合併してワイドになった庄原市でしょう。

映画の上映終了後、渡邊孝好監督と出演の井川遥さんが舞台挨拶に現れました。白いフリフリな感じのブラウスにチョコレート色のパンツ姿で登場の井川遥さん、さすが本家癒し系と言われただけあって目と唇が印象的でした。渡邊孝好監督と井川遥さんが二人で映画撮影の当時のことを思い出しながら語ってくれました。

さわやかな夏の匂いと風が届いてくるような映画でした。作品中、それほど理解困難な方言もないので、東京で上映されても言葉での問題もないでしょう。あるとすれば、「はぶてる」という動詞くらいでしょうね。『ヒナゴン』ロケ地マップもあるようですので、機会があればドライブしてみるのもいいかもしれません。
(2005年5月28日ワーナー・マイカル・シネマズ広島で鑑賞)

監督:渡邊孝好
原作:重松清(いとしのヒナゴン
脚本:山田耕太
音楽:岩代太郎
出演:伊原剛志、井川遥、上島竜兵、嶋田久作、鶴見辰吾
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:121分


映画『ヒナゴン』の関連商品の紹介

いとしのヒナゴン 単行本
重松 清
いとしのヒナゴン
こちらは映画の原作本です。

ヒナゴン公式ファンブック 単行本
ヒナゴン公式ファンブック
映画ヒナゴンの公式ファンブック。
映画の全シナリオが載っています。


By NOV at 12:44 | Comments [4] | Trackbacks [0]

2005年05月15日

映画『交渉人 真下正義』

『交渉人 真下正義』公式サイト
『交渉人 真下正義』を上映している映画館は?
交渉人 真下正義@映画生活

映画『交渉人 真下正義』を観ました。『踊る大捜査線』の派生映画、スピンオフの作品ですね。映画の内容は、2004年12月24日、得体の知れない知能犯が東京の地下鉄新型車量「クモ」を縦横無尽に走らせて東京をパニックにさせるお話です。

警視庁初の交渉人として活躍した真下正義(ユースケ・サンタマリア)に対抗意識を持つ何者かが、自動列車運転装置(Automatic Train Operation)をダウンさせ、新型フリーゲージトレイン「クモ」を勝手に操り東京地下鉄路線上を走らせる。東京地下鉄の乗客が危機にさらされる。

なかなかスリリングな展開で序盤は大いに盛り上がります。なぜ新型地下鉄車両を乗っ取ったのかわからない犯人と真下は交渉します。実際は交渉というより、共感的な立場での会話という感じです。そんなに頭脳的な交渉というわけではありません。むしろ真下と地下鉄総合指令室内での職員との交渉のほうが大仕事のようにも見えました。

東京の地下鉄の司令室がどんなものか実際に見たことはありません。この映画ではその指令室でのシーンが多いので、普段多くの乗客を当たり前のように輸送する地下鉄制御の仕事を垣間見られます。映画での司令室の雰囲気が実際の世界の様子とどの程度の違うかわかりませんが、地下鉄職員の誇りの断片が感じられました。

犯人の最後の狙いはクリスマスイブの東京を騒然とさせるとんでもない計画。その計画を中止させるための警察サイドの活動に始終緊張しっぱなしでした。なかなか手の込んだことをする犯人で、真下が言うように「キミは凄いよ」という言葉のふさわしい犯人です。真下だけでなく部下たちの活躍に拍手を送りたくなるそんな作品でした。

ここからは、ネタバレでいきます。ご注意を。

心地よいボレロの演奏。ボレロの演奏中のシンバルの音がホールに設置された起爆装置と連動していることを短時間で見事に的中。犯人はただ者ではないけど捜査班もただものではないと思わせられます。プロファイリングで容疑者にやっとたどり着いたと思ったら、その人物はすでに死んでいる人物だったのでこれまた謎な展開でした。

やたら映画マニアな犯人でしたが、最後はあっけなく自爆でしょうか、それとも逃亡したのでしょうか。どちらかは明確には描かれていません。次回作『容疑者 室井慎次』で明らかとなるのでしょうか。最後、どんな犯人なのか全くわからない形になってしまったので肩透かしを食らいましたね。(2005年5月14日広島宝塚1で鑑賞)

交渉人 真下正義@映画生活
にもレビュー・批評・感想があります。
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監督:本広克行
脚本:十川誠志
出演:ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、高杉亘、松重豊、水野美紀
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:127分

映画『交渉人 真下正義』
サウンドトラックや本、おもちゃなどいろいろ。

交渉人真下正義 オリジナルサウンドトラック
(レア映像DVD付初回限定盤)

サントラ ザ・テンプテーションズ
交渉人真下正義 オリジナルサウンドトラック (レア映像DVD付初回限定盤)
このサウンドトラックは【レア映像収録DVD付き初回限定盤】です。
※ 限定盤につき、なくなりしだい販売を終了。どんな特典映像の入ったDVDなんでしょう。気になりますね。また、交渉人真下正義オリジナルサウンドトラック(通常盤)もあります。

公式ガイドブック『交渉人 真下正義』完全FILE
公式ガイドブック『交渉人 真下正義』完全FILE

交渉人真下正義ネゴシエイションズガイドブック
交渉人真下正義ネゴシエイションズガイドブック

チョロQ クモ E4-600
チョロQ 交渉人 真下正義チョロQ
あのクモ E4-600のチョロQ。ちょっと欲しいなあ。

プラレール「交渉人 真下正義」 クモ E4-600
「交渉人 真下正義」 クモ E4-600
プラレールの車両です。プラレールが無い場合はこちらプラレール こんなにできちゃう! レールいっぱいセットでレールも手に入りますよ。(対象年齢:3才以上)

By NOV at 14:46 | Comments [2] | Trackbacks [18]

2005年04月21日

映画『トニー滝谷』

『トニー滝谷』公式サイト
『トニー滝谷』を上映している映画館は?

『トニー滝谷』が東京で1月に公開されて遅れること約3カ月。ようやく広島でも公開されました。原作は村上春樹の短編小説『トニー滝谷』です。村上春樹の映画は過去に数本製作されています。私は『風の歌を聴け』の映画作品をビデオで観たことはあるのですが、その時、映画よりも小説の方がいいと感じました。そして、この『トニー滝谷』に対しても同じように思うかもしれないと思いつつも映画館へ足を運びました。

映画『トニー滝谷』ですが、果たしてこれは映画と言えるのでしょうか。ナレーションが多用されておりこれはもはや映画とは別の作品のような気がしました。ナレーションに頼らないと村上春樹の小説世界の再現は難しいという見方もあるかもしれませんが、それでも村上春樹の作品が持つ世界をナレーションに頼らない方法で構築して欲しかったですね。例えばトニー滝谷がなぜトニー滝谷と呼ばれるかについて明らかになる場面では、ほとんどナレーションで理由が説明され、映像表現は挿絵程度にしか使われていません。きちんとアメリカ兵がトニー滝谷の父にセリフ付きでトニーの名前を提案するシーンを見せる映画的なやり方で製作して欲しいと感じました。ナレーションを映画で用いるべきではないという意見がある中、あえてナレーションを用いたのには明確な理由があるのだろうと思います。これは実験的試みと言えるのかそれとも村上春樹小説風世界を構築するための妥協的方法と言えるのかちょっと判断しかねるところです。

坂本龍一のゆったりとした音楽と西島秀俊のナレーションの融合音波によって私は眠くなり、起きて鑑賞するのが難しい時がありました。音楽もナレーションもよくできていたと思います。宮沢りえの一人二役もきちんと演技できていましたし、イッセー尾形も長髪の大学時代を除いては何の問題も無く演じていたと思います。多少違う点はあるもののおおむね小説の静謐さを忠実に再現したような作品です。いわゆる村上春樹作品を象徴する喪失感も出ていました。でも、小説には存在するどうでもいいようなある種の細かい描写が失われていたような気がします。でも、映画として作品全体をとらえると満足いく映画ではなくちょっと戸惑わされる映画でした。よくよく考えると原作の小説自体それほどお気に入りの話しだったわけではないのが満足度が低い理由かもしれません。また、原作に無い最後のワンシーンはちょっと余計でしょうか。(2005年4月16日シネツイン2で鑑賞)

トニー滝谷@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。
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監督:市川準
原作:村上春樹
脚本:市川準
音楽:坂本龍一
出演:イッセー尾形、宮沢りえ、篠原孝文、四方堂亘
製作年度:2004年
製作国:日本
上映時間:75分

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2005年04月17日

映画『阿修羅城の瞳』

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映画『阿修羅城の瞳』を観てきました。映画『阿修羅城の瞳』は、劇団☆新感線による舞台での『阿修羅城の瞳』をベースにして映画化された作品です。私は劇団☆新感線の舞台を一度も観たことがないのです。そういうわけでこれから書くことは基本的に映画だけのことを書いていきます。

文化文政の時代の江戸を舞台に物語は始まる。江戸の町には鬼の住む場所があり、鬼を討ち払う「鬼御門」という組織があった。「鬼御門」の病葉出門(市川染五郎)はスゴ腕を振るい鬼を退治していたが、あるできごとをきっかけに「鬼御門」を離れ、舞台役者として四世鶴屋南北(小日向文世)の一座へ入る。一座へ入り五年経ったころ、出門は謎の女、つばき(宮沢りえ)と出会う。

映画の印象はなんといったらいいんでしょう。ゲームにすると面白そうな映画だなあと思いました。鬼を切ると蛍光グリーンの体液が飛び散るんですよ。なんで蛍光グリーンなんでしょうね。ゲームにした時グリーンだと残酷な感じが少ないからかもしれません。鬼の体内にはおそらくグリーンスライムでも入っているんでしょう。様々なCGを活用しているせいもありゲームっぽさ満点です。「さあ、きみは阿修羅城にたどり着けるか」なんてね。

この作品の滅茶苦茶というか荒唐無稽なところもそれなりに楽しみながら眺めていました。つばきと出門の逢瀬も四世鶴屋南北の気分で眺めていました。でも映画としてみるとよくできているとは言い難い気がします。雑なCG、全般的にちぐはぐな演技、宮沢りえのゆっくりチャンバラなど気になったものは一杯あります。一番残念だったのは個人的につばきの変身を楽しみにしていたのにあまり大したものではなかったこと。つばきの変身まではまあまあ満足して観れたのですが、それ以降は満足できないものでしたね。切ないと思われるラストがあまり切なくなかったのも残念です。ゲームオーバーって感じでした。ゲーム的な雰囲気があると先ほど書きましたが、子供向け番組のヒーロー物のような雰囲気もありました。舞台はもっと面白いのかもしれないと思います。(2005年4月12日広島松竹東洋座/広島名画座で鑑賞。RCC試写会でした。)

阿修羅城の瞳@映画生活にもレビュー・批評・感想があります。
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監督:滝田洋二郎
原作:中島かずき
脚本:戸田山雅司、川口晴
音楽:菅野よう子
出演:市川染五郎(七代目)、宮沢りえ、大倉孝二、皆川猿時、二反田雅澄
製作年度:2005年
製作国:日本
上映時間:119分


映画『阿修羅城の瞳』のサウンドトラックや書籍のご案内

阿修羅城の瞳 サウンドトラック
阿修羅城の瞳 サウンドトラック

A SHU RA―ストーリー・オブ・ザ・ムービー阿修羅城の瞳 本
出水 秋成
A SHU RA―ストーリー・オブ・ザ・ムービー阿修羅城の瞳
映画『阿修羅城の瞳』を完全小説化。

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